米ドルは水曜日、155.60円を超える勢いで急騰し、約4か月ぶりの水準を記録した。
出来事:投資家たちが再び円ドルスワップのポジションに乗り出していることを受けて、市場では様々な憶測が飛び交っている。これは、トランプ米政権が輸入品に対する関税を積極的に引き上げるとの見方があるためだ。
経済学者たちは、この関税が通貨市場を変革し、米国のインフレ圧力を煽ると予想している。
先月の第1週以来6週間のうち6週間で、ドルが円に対して強い動きを見せていることで、8月上旬に発表された米国の雇用統計による損失を取り戻した。また、円ドルのスワップポジションが急激に解消された理由は、日本銀行の介入によるものだ。
インフレデータは予想と同様、ドルの勢いは不動
消費者物価指数(CPI)の報告書によると、2024年10月のインフレ率は前年同月比2.6%に加速し、これは経済学者たちの予測と一致している。安定しているコアCPIインフレ率(食品およびエネルギーの価格の変動を除いたもの)は3カ月連続で3.3%となり、こちらも予測と一致している。
Invesco DB USD Index Bullish Fund ETF(NYSE:UUP)は1年以上ぶりの高値を付けた。
関税の憶測がドル急騰を牽引
押し上げる可能性もある。その結果、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を切り下げるという鳩派の姿勢を再考に追い込まれ、さらなるドル高の要因となる可能性がある。
JPMorganの選挙前の分析では、共和党による大勝利のシナリオが最もドル高を後押しすることが予測された。この場合、ドルのトレードウェイト指数は7.3%上昇し、スウェーデン・クローナ(SEK)に対する動きが最も大きく、+10.8%、次いでユーロ(EUR)に対する動きが+8.4%となるだろう。
選挙シナリオ | ドルのトレードウェイト指数の変化 | ドル対人民元(CNY) | ドル対ユーロ(EUR) | ドル対カナダドル(CAD) | ドル対オーストラリアドル(AUD) | ドル対スウェーデン・クローナ(SEK) | |
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共和党による大勝利 | +7.3% | +4.4% | +8.4% | +4.7% | +6.1% | +7.9% | +10.8% |
デイビッド・モリソン氏は、ドルを支える米国債利回りの上昇について触れ、「米国債利回りの上昇がドルの復活に大きく寄与している。投資家たちはトランプ政権が納税削減と規制緩和の約束を実行に移すことで、経済成長が促進されるとの見方をしている。このため、ヨーロッパや英国の経済が達成するのにかろうじて可能な範囲を大きく超える成長が続くはずだ」と語った。
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