週の最終セッションでリスク回避が支配的だったため、ウォール街では主要指数にわたって大きな下落が見られた。
投資家たちは、ドナルド・トランプ(米大統領)の政策の経済への影響に関する不確実性が高まっている状況と、連邦準備制度理事会(FRB)の次の動きについて考え込んでいる。
FRB議長であるジェローム・パウエル氏が前日に発表した発言がリスク資産に大きな影響を与えた。パウエル氏は金利の引き下げの必要性はないとし、経済の耐久性を指摘し、インフレーションの仕事を完全に終えることの重要性を強調した。
ボストン連銀総裁のスーザン・コリンズ氏も金曜日に不確実性を追加し、FRBの次回政策会議でさらなる利下げについて決定する前に、追加のデータを見る必要があると述べた。
12月の25ベーシスポイント利下げの期待は大幅に縮小し、確率は前日の82%から59%に下がった。
トランプ氏の勝利による楽観感は急速に沈静化し、米国の主要指数も週をマイナスで終える見込みだ。特にIT関連株が大きく下落し、ナスダック100は2.5%急落し、選挙後の利益を全て吹き飛ばした。
半導体株は急落し、iShares Semiconductor ETF(NASDAQ:SOXX)は2か月ぶりの安値を付け、Applied Materials Inc.(NASDAQ:AMAT)が期待外れの見通しを発表したことが影響した。
利下げに対する不確実性の急増と、経済に関する幅広い懸念が、市場の恐怖感を反映しているCBOEボラティリティ指数(VIX)を17%以上押し上げた。
米国債利回りは低下し、安全資産とされる国債への資金の流れが加速している。利回りの低下は日本円を支援し、4日ぶりの下落を記録した。
米ドルは緩和したものの、2023年9月以来の7週連続での利上げが確実となり、緩和効果は薄いままだ。
収益が低下し、ドルが軟調だったにもかかわらず、金の価格は横ばいを維持し、荒れた1日の中でヘッジとしての役割を果たすことはできなかった。一方で、ビットコイン(Bitcoin)(CRYPTO:BTC)はリスク回避の感情に反して上昇し、89,600ドル(約10,237,520円)で2.5%上昇。その力強さを示した。
主要米国指数・ETFの金曜日の動向
主要指数 | 価格 | 1日の変動率 |
ダウ・ジョーンズ | 43,416.20 | -0.8% |
S&P500 | 5,869.72 | -1.3% |
ラッセル2000 | 2,302.85 | -1.5% |
ナスダック100 | 20,391.40 | -2.4% |
CBOE VIX | 16.79 | 17.3% |
株式ETF(SPDR S&P 500 ETF Trust)(NYSE:SPY)は1.4%下落し、585.28ドルとなった。
- (NASDAQ:QQQ)のInvesco QQQ Trust Seriesは2.5%下落し、496.12ドルとなった。
- 米国の主要指数・ETFの動き
金曜日の株価変動
- Palantir Technologies Inc.(NYSE:PLTR)は8.4%急騰し、AI関連株がナスダック100指数に組み込まれることが発表された。
- ウォルト・ディズニー(Walt Disney Co.)(NYSE:DIS)は4%以上上昇し、株価は前日の6.2%上昇で推進され、予想を上回る収益を発表した。
- アルコア(Alcoa Corp.)(NYSE:AA)は約8%上昇し、中国が12月1日からアルミニウムの輸出税還付を終了すると発表したのが影響した。
投資家にとって注目の収益発表は以下の通り。
- グロバント(Globant S.A.)(NYSE:GLOB)は11%下落。
- ASTスペースモバイル(AST SpaceMobile Inc.)(NASDAQ:ASTS)は13.8%下落。
- ポスト・ホールディングス(Post Holdings Inc.)(NYSE:POST)は2.8%下落。
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