サブプライ危機以来、銀行は連邦準備制度(FRB)のレポー施設に一切の資金を預け入れていない。そうなの、入札は一切なし。
米国銀行システムの母艦は、過剰資金のありかとして不動の存在だったが、今回は買い手がなかった。

出典: NewYorkFedウェブサイト
これはマイナーなバランスシートの出来事ではない。銀行の流動性が急速に失われていることを示す、けっこう危険な赤信号なのだ。
資金はどこへ?
新型コロナウイルスの刺激策が銀行に資金を注入した後、レポー施設は2022-23年に2兆ドルを超える規模に膨れ上がった。しかしインフレの進行と貯蓄の減少が進む中、その資金の山は徐々に減っていった。そして、我々はついにその決定的な瞬間を迎えている可能性がある。
銀行はもはやFRBに貸し出す余剰資金を持っていない。より懸念なのは何か?
銀行間融資はすでに干上がっている。これは、金融機関がまもなくネット借入モードに追い込まれる兆候であり、またシステムが逼迫していることを示している。
市場への影響:債券、株式、そして次なる展開
債券市場の反応はとどまるところを知らない。2年以上の期間を持つ米国債の収益率が急速に低下しており、これは投資家たちが利上げがピークだと考えているサインだ。
5年債の収益率:

10年債の収益率:

次の景気後退がゲームをリセットする前に、すぐにリターンを確定させている。
この資金のシフトは株式市場にも影響を与えている。流動性は市場の命であり、銀行が燃料不足で運営しているとリスク資産には圧力がかかるだろう。
投資家が注目すべき銘柄
見守っている人のために、ここでは注目すべき主要なETFを紹介する。
- 債券ブルにとって:収益率が下がり続ける場合、債券価格が上昇する可能性がある。 iShares 20+ Year Treasury Bond ETF(NASDAQ:TLT)とiShares 7-10 Year Treasury Bond ETF(NASDAQ:IEF)が主要な銘柄だ。
- 株式保護にとって:流動性の窮乏化への懸念が高まれば、防御的なセクターが光る可能性がある。 Consumer Staples Select Sector SPDR ETF(NYSE:XLP)と、Utilities Select Sector SPDR ETF(NYSE:XLU)は安定を提供するかもしれない。
- リスク資産にとって:銀行のストレスが増大している。この資金の窮乏化の働きかけ方の指標としては、SPDR S&P Bank ETF(NYSE:KBE)と、Financial Select Sector SPDR ETF(NYSE:XLF)が最適だろう。
銀行の流動性が失われていることに気づいていた人たちにとっては、この資金の窮乏化は驚きではないかもしれない。しかし、次に何が起こるのかは予測がつかない。
FRBの次の動きに注意を払い続けると良いだろう、なぜなら資金が枯渇しつつあるかもしれないから。
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出典: シャッターストック