12月の生産者物価指数(PPI)は、予想を下回る上昇率となり、インフレを抑制する一方で経済成長を妨げることなく目標に近づく、という点で連邦準備制度(FRB)にとっての救いとなる可能性が見えた。
このデータは、労働統計局が発表したもので、年率で見ると3.3%上昇し、11月の3.0%からは上昇したが、予想の3.4%上昇を下回る結果となった。月次ベースでは、物価が0.2%上昇し、11月の0.4%上昇から鈍化、市場予想の0.3%上昇も下回った。
最終需要品の12月物価上昇を牽引したのは、ガソリンの価格上昇で、9.7%急増した。住宅用電力、肉類、自動車、ガス燃料、生鮮果物なども、価格が上昇した。一方、生鮮・乾燥野菜は14.7%急落し、一酸化炭素鋼のスクラップや残留燃料も減少した。
食品やエネルギーの変動成分を除くコアPPIは、年率で見ると3.5%上昇し、11月から変わらず、市場予想の3.8%上昇を下回った。月次ベースでは、コア生産者物価指数は横ばいで、先月の0.2%上昇から鈍化し、0.3%上昇も市場予想を下回った。
予想を下回る結果となったことにより、生産者物価のサプライズな加速が見られた11月のデータとは異なる結果となった。
生産者物価指数の重要性
PPIは上流の価格動向の重要な指標で、消費者物価の変動の先行指標としても機能する。強い生産者物価上昇は、企業や消費者にとって救いを示し、特に企業が上昇した原材料コストを転嫁する圧力が減ることになる。
特に月次コアPPIの緩やかな上昇は注目される点で、これは基幹部品の価格圧力が広がっていないことを示している。
このレポートのタイミングは非常に重要で、それは明日の消費者物価指数(CPI)の発表に先立つものだ。
経済学者たちは、12月のCPIが年率で2.7%から2.9%に上昇すると予想している一方、コアインフレは3.3%で横ばいが予想されている。ソフトなPPIデータは、消費者物価のキリのいいサプライズ上昇に関する懸念を和らげるかもしれない。FRBの2%目標は依然として達成可能という希望をもたらしている。
市場の反応
予想を下回るPPIレポートは、FRBの政策方針に関する不確実性に苦しむ市場にとって、一定の救いとなった。
CMEグループの「FedWatch」ツールによると、このレポートを受けて、2025年の利上げ率見通しの期待はわずかに高まった。
市場では、夏の終わりまでに25ベーシスポイントの利上げの可能性が上昇している。
このデータに対する米国債の利回りはわずかに低下した。特にFRBの政策期待に敏感な2年債利回りは、2ベーシスポイント減の4.37%に低下した。米ドルはわずかに軟化し、セッション中は一進一退を繰り返している。
プレマーケット取引では、株先物は上昇している。S&P500指数の先物は0.5%上昇し、ナスダック100先物は0.9%上昇した。
先月の金曜日、SPDR S&P 500 ETF トラスト(NYSE:SPY)は0.1%上昇し、2024年11月5日に記録した水準に触れた。
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写真提供:シャッターストック