ドミノ・ピザ社(NASDAQ:DPZ)の株が『ゴールデンクロス』を形成しました。このゴールデンクロスとは、50日移動平均線が200日移動平均線を上回るという、上昇相場のテクニカル指標のことです。
ただ、投資家がこの騒動に飛びつく前に、この株の短期的なテクニカル指標からはまだ明るい兆候が見られないようです。

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短期的なシグナルはベアリッシュを示す
直近1カ月で8.15%、過去5日間で8.62%下落したことにより、ドミノ社の株は売り圧力を受けています。株価は433.55ドルで、重要な短期移動平均線よりも下に位置しているため、現在も売り圧が続いていることを示しています。
具体的には、ドミノ社の株価は8日、20日、50日移動平均線(SMA)の下にあり、短期間の株価モメンタムがベアリッシュのままであることを示しています。株価の20日SMAは471.68ドル、8日SMAは469.67ドルで、どちらも現在の株価よりも高い水準にあります。これは通常、弱気のサインと受け取られます。
なお、ドミノ社の株も長期的な動向で苦戦しているようです。株価は、50日SMA(449.77ドル)と200日単純移動平均線(450.31ドル)の下に位置しており、株価の下支えが逼迫していることを示しています。
モメンタムは混在 一体どちらに?
同社の株については、テクニカルなモメンタム指標からは相反するシグナルが提示されています。移動平均収束発散(MACD)が0.78となっており、上昇相場のシグナルを示しています。
一方で、相対力指数(RSI)は32.39で中立圏にあり、ただし30未満の過剰売り圏に向かっているという動きを見せています。
ファンダメンタルズ vs. 市場の不確実性
ドミノ社は、売上高の増加、配当の増額、そして新たな社長、イアン・ブル氏 の発表を行いました。このファンダメンタルズがしっかりと根付いている一方で、同社の新たな5年間の枠組みの下で利益成長を維持することが、投資家の信頼を保つうえで重要だという警告が分析家たちから出されています。
現時点では、ドミノ社の株価はまだ技術的な分岐点にあります。ゴールデンクロスは上昇の可能性に手応えを見せていますが、短期的な弱点があるため、投資家たちは本格的なブレイクアウトの確認を待ったほうがよいかもしれません。
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写真: シャッターストック