ゲーム大手任天堂(OTC:NTDOY)が、ゲームが公式発売日よりも早く配信されているとして、ゲーム実況者に提訴しました。
提訴は、先週水曜日、Jesse Keighin(Every Game Guruの名で知られる)に対し、過去10年間で未公開の任天堂ゲームを10タイトル配信したという内容でコロラド州の地裁に提出されました。
任天堂は訴状で、Keighin氏が視聴者に未発売ゲームをどのように手に入れるかを指示したと主張しており、これはエミュレーターやゲームのアクセスキーなどの違法の回避デバイスを「取引」する行為であるとしています。
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Benzingaはコメントを求めて任天堂に接触しましたが、執筆時点で同社からの回答は得られていません。
海賊行為と実況者に対する任天堂の積極的な姿勢
今回の提訴は、任天堂が最近、ゲームのコンテンツに関するガイドラインを更新したことに続いて起こったもので、新たなガイドラインでは、違法なコンテンツや未発売のコンテンツはオンラインで広めてはならないとされています。
任天堂は、YouTubeやTwitchなどのプラットフォーム上で違法なコンテンツの削除通知を発行したり、ROMの配布業者やエミュレーション開発者を提訴したりするなど、知的財産権を積極的に守ってきた歴史があります。しかし、この訴訟は、違法なゲームの配信をした実況者を初めて提訴したケースのうちの1つをなしています。
訴状によると、未公開のゲームを放送することで「発売前の海賊行為が正常化され、促進されている」とし、Keighin氏の放送が「視聴者に対して、彼らと同じように違法な複製を入手し、そのゲームを発売を待たずに遊べることを示唆する」と主張しています。
任天堂の弁護士はさらに、発売前の海賊行為は「数ヶ月や数年間待ちわびていた法を守る任天堂の顧客にとって、ゲームプレイ動画やネタバレをオンラインで見ることでゲームを楽しむ楽しみが台無しになる」と述べています。
任天堂は、これらの行動によって自社ビジネスに損害を与え、数百万ドルの売上損失を被ったと主張しています。
任天堂は損害賠償と、違法配信のシャットダウンを要求
任天堂は、Keighin氏がYouTube、Twitch、Kick、Loco、およびその他のプラットフォーム上で配信している動画に対し、複数の違法コンテンツの削除通知を発行しているとされています。 Keighin氏のアカウントの内、数多くが削除されてしまったものの、いくつかのアカウントは現在も活動中で、違法なタイトルの動画コンテンツは引き続き配信されています。
訴状によると、Keighin氏は過去2年間に50回以上、未発売のゲームを違法配信しており、その中には11月7日に公式発売される予定の『Mario & Luigi Brothership』を16日前、10月17日に公式発売される予定の『スーパーマリオパーティジャンボリー』を6日前に配信したと言われています。 さらに、任天堂は、Keighin氏がこれらのゲームをWindows PCまたは改造されたNintendo Switchで遊んでいたと主張し、自社の技術的な保護を回避していたとしています。
任天堂の広報はPolygonに対し、「任天堂は、任天堂のIP権利に対する明白な侵害行為、および当社のゲームコンテンツガイドラインの違反行為の続行について、個人を提訴したことを確認できます」と述べています。
任天堂の広報は次のように付け加えました。「任天堂は、全ての人々が笑顔になる体験を作り出すために、多大な時間と努力を投じてゲーム開発者とパブリッシャーの創造的な作品を守ることに情熱を傾けています」
任天堂は、Keighin氏による違法配信活動を停止し、彼の動画とライブ配信を削除し、エミュレーター、改造デバイス、違法なゲームが保存されたハードディスクの押収を要求しています。
同社は、著作権法に基づく任天堂の権利の違反に対し、15万ドルの賠償を求めており、また法の違反に対し1件につき2500ドルの賠償を求めています。
また、任天堂は「裁判で証明された金額」でKeighin氏がこれらの行為を通じて得た利益や損害についても要求する可能性があります。
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