<ヴェル(Veru Inc.)>の株価が急落している。ヴェルの株は、同社の肥満症治療薬enobosarmの第2b相QUALITY臨床試験のトップライン結果の発表を受けて、下がっている。
今回の研究は、肥満または過体重の60歳以上の168人の患者を対象に、3mgおよび6mgのenobosarmと、ノーボ・ノルディスク(Novo Nordisk A/S)(NYSE:NVO)のセマグルチド製剤「ウェゴビー」の無治療対照比較が行われた。
主要評価項目は、全体の筋肉質体重の変化であり、主要な副次評価項目は、ベースラインから16週までの期間での総体脂肪質体重と、身体機能の変化を評価するもので、これらは階段昇降試験によって測定された。
研究では、16週後にプラセボとセマグルチドを投与された患者に比べてenobosarmとセマグルチドを投与された群で全体の筋肉質体重を有意に保存する利点が認められ、主要評価項目も達成された。
副次評価項目の結果は以下の通りである:
- Enobosarm + セマグルチド治療を受けた患者は、ウェゴビー製剤を単独で投与した患者に比べて平均71%少ない筋肉質体重を失った。
- Enobosarm + セマグルチド治療を受けた患者は、ウェゴビー製剤を単独で投与した患者に比べて、平均27%多い脂肪質体重を失った。
- enobosarm + semaglustide群とプラセボ+セマグルチド群の16週間の総体重変化にはわずかな差があるように見える。そのため、enobosarm + semaglustideは、体組成の変化の改善が見られ、結果としてプラセボ+セマグルチドを投与された患者よりも脂肪質体重の損失が選択的でかつ大きくなった。
- 筋力が10%以上低下した患者の割合に関しても、enobosarm + セマグルチド群とプラセボ + セマグルチド群とを比較したところ、有意な統計的差が認められた。
- したがって、補助的な機能を担う筋肉を失った患者の割合は、単独でセマグルチドを投与された患者に比べてenobosarmが有意に低下させた。
さらに読む: Veru, Inc. (NASDAQ:VERU) (ヴェル) (62セント、約8万321ドル)
なお、この臨床試験では安全性に関するデータはまだブラインドされており、開示された安全性セットは2025年4月に終了する第2b相エクステンション試験の際に利用可能となる。
第2b相エクステンション試験では、全ての患者はGLP-1 RA製剤を投与中止し、さらに12週間、無治療対照のプラセボ、3mgのenobosarm、6mgのenobosarmのいずれかを投与する。
第2b相エクステンション試験では、体重減少を維持するかどうかを評価する予定で、enobosarmが筋肉を維持し、GLP-1 RA製剤を投与中止した後に発生する脂肪総量および体重の増加を防止できるかどうかを調べる予定だ。
株価動向 月曜時点で、ヴェルの株は前回終値比48.5%安の62セントで推移している。
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