米国製薬大手エリ・リリー社(Eli Lilly And Co) (NYSE:LLY) は、心臓病の遺伝的リスク要因であるリポタンパン(Lp(a))の選択的阻害剤を1日1回経口投与するという新規治験薬「muvalaplin」の2相試験の結果を発表した。
米国では、人口の約20%、つまり約6300万人が高いLp(a)濃度を抱えている。
Lp(a)濃度が高いと、心臓発作のリスクが2〜3倍になることもあるうえ、他の心臓血管系の合併症とも関連している。
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この研究では、muvalaplinが成人のLp(a)濃度を有意に低下させ、その主要評価項目を満たしたことが示された。
12週目の主要評価項目では、muvalaplin(10mg、60mg、240mg)はプラセボと比較してLp(a)濃度を有意に低下させた。
プラセボに対する調整後低下率は、無傷のLp(a)アッセイを使用した場合、最大で85.8%、apo(a)アッセイを使用した場合、最大で70.0%となった。
- 具体的には、無傷のLp(a)アッセイを使用した場合、(10mg)で47.6%、(60mg)で81.7%、(240mg)で85.8%の低下率を記録した。apo(a)アッセイを使用した場合は、(10mg)で40.4%、(60mg)で70.0%、(240mg)で68.9%の低下率を記録した。
また、muvalaplinは3つの投与量(10mg、60mg、240mg)すべてにおいて副次評価項目もクリアしている。
- 3つの投与量すべてがLp(a)閾値に対して統計学的有意差を示し、60mgおよび240mgの投与量がapoB低下に対しても統計学的有意差を示した。
これらのデータは以下のことも示した。
- 無傷のLp(a)アッセイを使用した場合、12週目にリポタンパン(Lp(a))濃度が125 nmol/L未満になる割合は、プラセボ群の6.0%に比べ、(10mg)で64.2%、(60mg)で95.9%、(240mg)で96.7%となった。
- apo(a)アッセイを使用した場合、リポタンパン(Lp(a))濃度が125 nmol/L未満になる割合は、(10mg)で38.9%、(60mg)で81.9%、(240mg)で77.4%で、プラセボ群の3.6%に比べた。
- 全投与量においてapoB濃度が低下し、プラセボに対する調整後低下率は(10mg)で8.9%、(60mg)で13.1%、(240mg)で16.1%であった。
有害事象に関しては、muvalaplin群とプラセボ群の間で類似した結果が出た。
株価動向: 火曜日最終取引時点でLLY株は0.44%安の723.97ドルとなっている。
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Jonathan Weiss撮影 via シャッターストック