米国食品医薬品局(FDA)は、サノフィ(NASDAQ:SNY)のGenzyme社について、同社が運営する施設で重大な規則違反が見つかったという警告書を発行した。
2024年6月12日から7月9日にかけて実施された査察の結果、同局は、同施設での製薬原料の製造プロセスについて重大な懸念を示した。
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査察の発見
- FDAの調査官は、幾つかの重大な問題について文書化し、それにはトラブルの調査が不十分であったり、製造の一貫性が確保できていなかったり、適切に設計された機器が使われていなかったりするというものが含まれる。
- 2022年1月から2024年7月にかけての試験管内バイオリアクターの運転のうち、汚染やその他の品質の問題により全体の約20%が却下され、重大なプロセスコントロールの欠陥が浮き彫りになった。
- これらの事件を調査したところ、原因究明、是正措置、または適切な文書化が不十分であった。
- たとえば、API(製薬原料)の2ロットに粒子が見つかったが、調査で原因を解明しきれていなかった。また、製造時における高圧製品の漏れ事件についても不十分な調査が行われ、エンジニアリング研究の結論も無視された。
- FDAは、Genzyme社が検証済製造プロセスから逸脱していた事例も指摘した。それにより微生物汚染のリスクが高まった。
- 特に注目すべき逸脱の1つは、製造部品の権限外での交換だった。後にこれが汚染事件に結びついた。
- また、査察官は、Genzyme社が微生物の侵入を許してしまう設計上の欠陥があるとして、適切でないカートや装置の使用も批判している。
サーノフィニューヨーク州フレーミンガムの製造施設の品質部門も、現行の製造および保管基準(略称:cGMP)に準拠できていないとして厳しく監視されていた。2024年6月現在、同部門には180日を超える未解決のトラブル調査が84件あり、統計期間中には報告されていないトラブルもあった。これには不適切な無菌実施方法の利用や、機器のセットアップの問題が含まれる。
FDAはまた、Genzymeが提出した是正・予防措置(CAPA)が不十分であるとも判断した。
サノフィは、15営業日以内にFDAに対し、問題の是正措置について回答を行うと共に、完了予定のタイムラインを提出しなければならない。
株価動向: 本日(水曜日)最後のチェック時点でサノフィ株は51.22ドルで0.91%安。
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画像:Pixabayより