米国の貿易相手国に対する大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)の関税が、株式市場に衝撃を与えた一方で、あるアナリストはアメリカの自動車業界は驚くべき後押しを受けると見ています。新たな貿易政策の潜在的な恩恵者と損失者のリストをお届けします。
出来事米国の貿易相手国に対する関税の増加は株式市場に悪影響を与えた一方で、経済の減速と景気後退の可能性に対する恐怖も煽った。
金融機関向けのグローバルFinTechソリューションプロバイダーであるB2BROKERの最高執行責任者であるジョン・ムリロ氏によると、トランプの関税は米国への金属、自動車、ハイテク製品の輸入に先んじて対象となり、それが「これらのセクターにとって特に不利な状況を招いた」との見方を示しました。
ただし、この関税についてムリロ氏は「少なくとも悪魔は表に出ている」と述べ、保護主義的な措置をアメリカの自動車業界にとって銀の弾丸と見なしており、外国からの競争が減少することで 生産に対する需要が増加すると予測しています。
ムリロ氏は、「外国製の自動車と同様の製品である米国製車両と競合する外国製車両に関税が課されているため、結果として米国の自動車産業がこの保護主義の利を受けることになる」とBenzingaに語りました。
ムリロ氏によると、Ford Motor Co.(フォード・モーター)(NYSE:F)の配当を削減したことで、最初の反応は否定的であったとしても、フォードとGeneral Motors Co.(ゼネラル・モーターズ)(NYSE:GM)は生産に対する需要が時間と共に増加するとされ、それは現在の外国製部品の代替品生産者への再供給で生じたすべての現行の不便を相殺するだろうとムリロ氏は述べています。
ムリロ氏は、トランプがアメリカの石油業界に対する賭けを忘れてはならないとしながらも、「トランプ大統領がアメリカのビジネスを熱心に守るため、私たちは一般的なエネルギーの専門的な焦点を受けるものと予想しています」と述べており、これがムリロ氏によれば、現行の原油価格のソフトさにもかかわらず、特にExxon Mobil Corp. (エクソンモービル)(NYSE:XOM)やChevron Corp.(シェブロン)(NYSE:CVX)のような従来の石油生産者にとっては、アメリカの石油株にとって非常に前向きなニュースになるとしています。
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なぜ重要か関税は、輸入品に政府が課す税であり、保護主義的な政策と見なされています。関税の主な目的は、同種または類似の製品を生産する国内産業を保護することです。
ただし、国内での製造コストが上昇するため、関税は商品価格の上昇をもたらす可能性があります。
ムリロ氏は、これらの政策の結果として長期的に失敗するであろう企業にも焦点を当てています。
ムリロ氏によれば、「最も明らかな敗者は、これまで中国の卸売価格と米国の小売価格のアービトラージで多くの利益を上げてきた小売株、つまりCostco Wholesale Corp.(コストコ)(NASDAQ:COST)やWalmart Inc.(ウォルマート)(NYSE:WMT)などの小売株だろう」とのことです。
ムリロ氏は、さらに「PC、サーバー、電話機器製造業者にとっても火の粉が飛ぶだろう。つまりHP Inc.(Hewlett-Packard)(NYSE:HPQ)、Cisco Systems Inc.(シスコシステム)(NASDAQ:CSCO)、Apple Inc.(アップル)(NASDAQ:AAPL)は、多くの適用部品を数十年間 中国から供給されてきているため、同じく影響を受けるだろう」と語っています。
焦点となる銘柄 | 今年迄の業績 | 一年間の業績 |
Ford Motor Co.(フォード・モーター)(NYSE:F) | -9.95% | -35.82% |
General Motors Co.(ゼネラル・モーターズ)(NYSE:GM) | -17.31% | -5.03% |
Exxon Mobil Corp.(エクソンモービル)(NYSE:XOM) | -6.09% | -16.84% |
Chevron Corp.(シェブロン)(NYSE:CVX) | -6.67% | -15.48% |
Costco Wholesale Corp.(コストコ)(NASDAQ:COST) | -0.12% | 26.46% |
Walmart Inc.(ウォルマート)(NYSE:WMT) | -9.12% | 36.80% |
HP Inc.(Hewlett-Packard)(NYSE:HPQ) | -32.61% | -26.99% |
Cisco Systems Inc.(シスコシステム)(NASDAQ:CSCO) | -10.00% | 6.36% |
Apple Inc.(アップル)(NASDAQ:AAPL) | -29.29% | 1.62% |
株価動向特に、火曜日には、SPDR S&P 500 ETF トラスト(NYSE:SPY)が496.48ドルに1.57%下落し、Invesco QQQ トラスト ETF(NASDAQ:QQQ)も416.06ドルに1.80%下落しました(Benzinga Proのデータによると)。
火曜日の取引セッションを受けて、ナスダック100指数は前回のピーク(22,222.61)から23.10%下落し、ベア相場圏に位置しています。S&P 500指数は、2月19日のピーク(6,147.43)から18.95%下落し、ダウは最高値から16.48%下落しています。
水曜日の先物市場は、ダウ、S&P 500、ナスダック100の先物取引が全て下落しており、これによりさらなる潜在的な損失が示唆されています。
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写真提供:シャッターストック