大手消費財企業ユニリーバ (Unilever) の株(NYSE:UL)が、本日のプレマーケット取引で下落し安値で取引されている。
同社はアイスクリーム部門の分社化に向けて着実な進展を遂げており、2025年末までの完了を目指していると発表した。
同社は重要な分野で企業法人の形成、独立した運営構造の作成、必要な財務分離書類の最終決定など、重要な手順を踏んでいる。
ユニリーバは去年、アイスクリーム部門を分社化し、相補的なビジネスモデルを持つユニリーバのポートフォリオのブランドを集中して育てると発表していた。
アイスクリーム部門には、壁、マグナム、ベン&ジェリーズなどの世界的なアイスクリームブランドが含まれている。
ジャン=フランソワ・ファン・ボクスメール氏は、新たに独立したアイスクリーム事業の議長に任命された。ファン・ボクスメール氏は消費財業界で幅広い経験を持つ人物で、現在はVodafone Group Plcの会長およびHeineken Holding NVの非常勤取締役を務めている。
アイスクリーム部門は分割によって分離され、アムステルダム、ロンドン、ニューヨークの3つの株式市場に上場され、ユニリーバ株が取引されている現在の市場に合わせる。
アイスクリームビジネスはオランダに設立され、その本社は引き続きアムステルダムに置かれる。
ユニリーバの取締役会が行った徹底的な評価の結果、今回の決定が下された。この評価は、アイスクリーム事業の将来の成功を見据えつつ、株主に対するリターンを最大化することを目的としている。
2024年度については、ユニリーバは壁、マグナム、ベン&ジェリーズなどのアイスクリームブランドを傘下に持つアイスクリーム部門の分社化を計画している。
売上高の面では、下支えとなる売上高が前年同期比4.2%増となり、その要因は2.9%の増加を記録した。
一方、総売上高は前年同期比1.9%増の608億ユーロ(約63.16億ドル)となり、そのうち為替の変動の影響は-0.7%、純除外の影響は-1.5%だった。
売上高の75%以上を占めるパワーブランドは、下支えとなる売上高が5.3%増、ボリュームが3.8%増という成績を収め、ユニリーバの成長をけん引した。
ブランドとマーケティングへの投資はベースポイントで120ポイント上昇し、15.5%に達し、10年以上にわたる最高の水準を記録した。
下支えとなる営業利益率はベースポイントで170ポイント上昇し、18.4%に達し、総利益率はベースポイントで280ポイント拡大した。
下支えとなる1株当たり利益は14.7%増となり、一方で希釈後の1株当たり利益は10.6%減の結果となった。なお希釈後の1株当たり利益の減少は、売却による損失や生産性向上の取り組みに対する増加支出によるものだという。
四半期配当は、2023年度第4四半期に比べて6.1%増加し、新たな15億ユーロの株買い戻しプログラムが発表された。
見通し:ユニリーバは短期間における低迷する成長が鈍くなると見込んでおり、それに伴って2025年の最初の数ヶ月間の市場環境と成長も鈍化すると予想している。ただし、物価上昇は2025年の原材料コストの上昇を反映して上向きになり、その結果、成長も見込まれている。
同社の2025年の売上高の下支えの見通しは、3%から5%の変動率を予想している。
株価の変動:ユニリーバの株は、本日のプレマーケット取引で前日比6.26%安の55.44ドルで取引を終えた。
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画像:Shutterstock/ BearFotos