米連邦準備制度理事会(FRB)が好んで使うインフレ指標が、先週金曜日において4か月ぶりの下落を記録した。市場関係者やエコノミストは、最新PCEデータに対して反応を示している。(詳細はこちら)
エキスパートの見解 1月のPCE物価指数とコアPCE物価指数は、共に前月比0.3%上昇し、市場予想どおりの結果となった。指数には食品やエネルギーは含まれていない。
銀行の最高エコノミストであるビル・アダムス氏は、コアPCEインフレ率が2021年初め以来の鈍化を記録したことについて指摘。「耐久財への支出が大幅に減少し、非耐久財への支出も鈍くなった」と語った。
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個人収入も1月には予想を上回る0.9%上昇し、さらに消費が抑制されたことで個人貯蓄率も上昇した。
アダムス氏は「1月の強い収入増は、2025年の残りの期間において基本的なファンダメンタルズが、消費者支出と経済成長の回復を支えるだろう」と述べている。
ジョセフ・ブルスエラス氏(RSMの最高エコノミスト)は、個人収入の増加についてSNSでいくつかの洞察を提供している。彼は、この伸びの背景には「年度末の要因」があると指摘しており、これには生活費調整と配当が含まれているとの見解を示した。
ジェフリー・ローチ氏(LPLファイナンシャルの最高エコノミスト)は、1月のインフレ減速を受けて、6月のFRBによる利上げの可能性が高まったと指摘している。
ローチ氏は「消費者支出の鈍化と収入増速の鈍化がFRBの注意を引くはずだ」と語った。
市場の反応 1月のPCE物価指数の減少は、市場にとっても救いとなった。金曜日には、主要な全ての株価指数が持ち株以上の取引を見せた。
この記事作成時点で、SPDR S&P 500 ETF トラスト(NYSE:SPY)(S&P 500を追跡)が前日比0.38%上昇の587.26ドル、Invesco QQQ トラスト(NASDAQ:QQQ)(ナスダック100指数を追跡)が0.39%上昇の502.24ドルで推移している。
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