金曜日、米国食品医薬品局(FDA)は、遺伝性乳ロ球輸送障害(FCS)という成人患者向けの最初の投薬「Tryngolza(オレザルセン)」に新たな適応として承認を与えた。FCSは、患者が急性膵炎(AP)を引き起こす可能性がある重度の高トリグリセリド血症(SHTG)の一種である(IONIS PHARMACEUTICALS, INC.(NASDAQ:IONS)発表)。
SHTGとは、血液中のトリグリセリド(脂肪の一種)のレベルが通常の水準を3倍以上に超える状態である。
Tryngolzaは、FCSを持つ成人患者のトリグリセリドレベルを大幅かつ著しく減少させ、適切な食事と併用することでAPの発症を臨床的に有意な水準で減少させる最初のFDA承認済み治療薬となる。
Tryngolzaは毎月1回、患者自身が自動注入器を用いて投与する。
FDAの承認は、成人患者を対象とした第3相バランス試験のデータに基づいている。
バランス試験では、Tryngolza 80ミリグラムを6ヵ月間投与した結果、トリグリセリドの平均レベルでプラセボに対して統計的に有意な減少が観察された。比率は基準値から42.5%減(p=0.0084)。
12ヵ月までの基準値からの減少率はさらに向上し、Tryngolzaはプラセボに対して平均57%のトリグリセリド減少を記録した。
APの発症率についても12ヵ月で実質的かつ臨床的に有意な減少が観察され、Tryngolza投与群の1人(5%)がAPを1度経験している一方、プラセボ群(7人、30%)ではAPを計11回も経験した患者がいる。
Tryngolzaの米国内での販売開始は、今年の年末より前に行われる予定だ。
また、SHTGに対するOlezarsenは、現在3つの第3相臨床試験(CORE、CORE2、ESSENCE)で評価中だ。OlezarsenはSHTGの使用については、FDAによる審査も承認も受けていない。
IONIS PHARMACEUTICALSは、今年11月に、エンジェルマン症候群(AS)に対するION582のFDAとの調整に関する決定的な第3相試験のデザインを発表した。この試験は、2025年の上半期に開始される見込みだ。
ASは原則として乳児で発症し、深刻な知的障害、言語障害、重度の運動障害を特徴とする疾患である。
株価動向 金曜日の最終取引時点で、IONIS株は前日比3.79%高の1株36.94ドルで取引を終えた。
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