製薬大手武田薬品工業株式会社(NYSE:TAK)は、臨床試験第3相の締結により、Keros Therapeutics, Inc.(NASDAQ:KROS)とエルリターセプトの独占ライセンス契約に調印した。この契約により、中国本土および香港、マカオを除く世界各地での開発・製造・販売が可能となる。
エルリターセプトは、骨髄異形成症候群(MDS)および骨髄線維症を含む特定の血液がんに関連する貧血の治療を目的とした、臨床試験の最終段階である活性化因子阻害薬である。
米国食品医薬品局(FDA)は、エルリターセプトに対して、非常に低リスク、低リスク、中等度リスクの骨髄異形成症候群患者用のファーストトラック指定を付与している。
骨髄異形成症候群および骨髄線維症は、十分な血球生産が不十分であり、しばしば重度の貧血を引き起こすことが特徴である。
エルリターセプトは、貧血関連疾患における重要な因子であるとされるアクチビンAおよびBタンパク質をターゲットとしている。
エルリターセプトの早期臨床試験では、MDS患者で単剤療法として、および骨髄線維症患者と併用した際に、非常に低リスク、低リスク、中等度リスクの患者において有望な臨床活性と管理しやすい安全性のプロファイルが示された。
エルリターセプトは、現在、非常に低リスク、低リスク、または中等度リスクのMDSおよび骨髄線維症患者を対象とした2つの第2相臨床試験が進行中である。
非常に低リスク、低リスク、または中等度リスクの骨髄異形成症候群を有する輸血依存性貧血の成人患者を対象としたエルリターセプトの第3相臨床試験であるRENEW試験の募集作業がまもなく開始される。
武田は、これらの癌に対して患者のセグメントおよび治療ラインを横断してエルリターセプトを評価する予定だ。
武田は、Kerosに対して2億ドルの前払金を支払い、また11億ドルを超える可能性のあるマイルストーンを受け取る資格がある。またKerosは、純売上高に対して段階的なロイヤルティを獲得する資格もある。
William Blairは、武田がエルリターセプトの開発の責任を負うことで、Keros(肺動脈性肺高血圧症におけるcibotercept、肥満および筋神経疾患におけるKER-065を含む)は、焦点を絞ることができると述べている。
また、分析士はエルリターセプトに対して複数の提案があったことを明記。同社のマネジメントは、武田がエルリターセプトの広範な機会についての見解に一致していると認識している。
株価の動き: 本日最終確認時点のKROS株は1株61.43ドルで8.28%高、TAK株は1株13.92ドルで0.40%の上昇を記録している。