台湾の再生可能エネルギーへの移行が続く中、台湾半導体製造(TSMC)(NYSE:TSM)が電力コストの急騰に悩まされ、その事業に大きな影響が出ている。
出来事:台湾の再生可能エネルギーへのシフトは、TSMCを含む産業にとって大きな課題を創り出している。TSMCをはじめとする主要産業のリーダーたちは、自社が事業を展開している他の地域に比べて台湾での電力コストが高まっている状況に直面している。この状況は、TSMCの最高財務責任者(CFO)が、自社の電力コストはここ最近で2倍になったと明らかにしたことに端を発しており、米紙ファイナンシャル・タイムズが火曜日に報じたところだ。
2022年以降、台湾では電気料金が4回値上がりし、主に大規模な産業ユーザーに影響を与えている。4月には、一般家庭向けの電力料金は平均して11%急騰し、TSMCおよびその他の主要な産業ユーザーは25%急騰した。先月、台湾政府は家庭と不振な産業部門について料金を凍結したが、成長産業部門については14%値上がりさせた。
関連記事
台湾の電力供給問題は、台湾の再生可能エネルギーへの遅い投資と原子力の段階的廃止によって深刻化しており、石炭と液化天然ガスの輸入に頼らざるを得なくなっている。結果として台湾のエネルギー供給の80%を占めるようになってしまった。
なぜ重要なのか:台湾におけるエネルギーの課題は、すでにタイフーン「コングレイ」などの外部要因から生じているTSMCにとって、極めて重要な時期に来ている。この台湾で30年近くにわたって最も激しい台風で、金融市場や交通システムに大きな影響を与えるほどのインフラの深刻な障害を引き起こした。この自然災害によって50万戸近くの住宅に影響を与え、約100万世帯分の電気が止まる事態となった。
さらに、台湾での電力コストの上昇という課題は、人工知能(AI)アプリケーションの急増を受けて進んでいる先進チップパッケージングの需要に対応するというプレッシャーをTSMCにもたらしている。同社は、2025年までに先進パッケージングの生産能力を倍増する予定で、Nvidia Corp.やAmazon.com Inc.などの大手企業は、TSMCの可能性に大きく依存している。この需要と電力コストの上昇をバランスよく取ることは、TSMCにとって台湾で進化するエネルギー環境を航行していく上で大きな課題がある。
次の記事を読む
Shutterstock提供のイメージ
この記事は、Pooja Rajkumari氏によって、Benzinga Neuroによって作成および編集された。