製薬大手エリ・リリー(Eli Lilly and Co)は、2024年の1年間世界全体の売り上げが約450億ドル(約5兆2000億円)と予想しており、前年比32%増となる見通しを発表した。この数字は、45.5十億ドルという市場予想よりも低い。
同社は、2024年第4四半期の売り上げが約135億ドル(約15兆6000億円)と予想しており、前年比45%増となる見通しを発表した。これは、139.7十億ドルという市場予想よりも低い。
同社の2024年の売り上げ予想は、第3四半期決算で発表された売り上げ見通しよりも約4億ドル(約4600億円)または3%低い。なお、エリ・リリーの売り上げ見通しには、Mounjaroについて約35億ドル、Zepboundについて約19億ドルが含まれている。
さらに読む: Eli Lilly Scoops Up Scorpion Therapeutics’ Early-Stage Cancer Program For $2.5 Billion
エリ・リリーは、MounjaroとZepboundの売り上げ増加に加えて、第4四半期においては、がん治療、免疫学、および神経科学の各分野での医薬品が好調なパフォーマンスを発揮したと述べている。合計で、非インクレチンの売り上げは前年比20%増加した。
エリ・リリーのデイビッド・リックスCEOは、「インクレチン市場が昨年同四半期比で45%成長した一方で、当社の以前の見通しでは今四半期の成長がもっと加速すると予測していた。これに加え、年末の在庫が予想より少なかったことがQ4の成績に寄与した。当社は引き続き、製造施設の拡張を進めており、Q4中はターゼパチドの全投与量を米国中に供給していた」とコメントした。「また、年上半期において、2024年上半期に比べてインクレチンの販売可能な投与量は少なくとも60%増加する見込みだ」とリックス氏は語った。
同社はまた、2025年の売上見通しを発表し、市場予想の586億ドルに対し、580億ドル~610億ドルの間で売上を予測している。
エリ・リリーは、2025年にJaypirca、Ebglyss、Omvoh、Kisunlaなどの新しい医薬品からの売上成長貢献、既存のエリ・リリー製品の新しい適応症の承認、Mounjaroの新しい市場への追加投入および、インクレチン市場の新しい医薬品(例:乳がん転移用新薬イムルネストラントの発売)による新たな売上成長を見込んでいる。なお、インクレチン市場とチャンネルの動向は、2025年の売上見通しにも反映されている。
株価動向:最終取引時点のエリ・リリー株は、前日比8.03%安の775.10ドルで推移している。