開発会社Larian Studiosは、ダブリンを拠点とする持株会社が公開した新たな財務データから、2023年に大きな財務的成功を収めたことが判明した。
同スタジオは、8月に『Baldur’s Gate 3』を発売したことが主な要因で、税引き前利益2億4900万ユーロ(約2億6090万ドル)と、総収益4億2700万ユーロを報告した。
これは、Larianの2022年の財務業績とは大きく異なるもので、当時の収益は2270万ユーロ、損失は21.4万ユーロであった。 『Baldur’s Gate 3』の成功は、同スタジオの経済的な地位を向上させるだけでなく、RPG市場の大物タイトルとしてその地位を確立させた。
販売とライセンス収入
Larianはゲームの正確な販売台数を公表していないが、『アイリッシュ・インディペンデント』の報告によると、2023年末までに同タイトルは約1500万本販売されたと推定されている。
これは、出版ディレクターのMichael Douseが以前に述べていた1,000万本を上回る販売台数と一致している。さらに、ダンジョンズ&ドラゴンズを所有する『ハズブロ』(NASDAQ:HAS)は、同ゲームがライセンス料収入9000万ドルを生み出したことを確認している。
同ゲームの人気は2024年にも続き、Douse氏によれば、コミュニティによる新しいモッドが続々と作成されていることから、前年比でデイリーアクティブユーザー数が20%増加したと報告されている。
新たなプロジェクトと所有権
9月にIGNとのインタビューで、LarianのCEOであるSwen Vincke氏が語るように、同社は今や「自分たちの運命と進むべき道を選ぶことができるようになった」とのこと。『Baldur’s Gate 3』のDLCや続編を開発するのではなく、同社は新しい独自のプロジェクトに注力する予定だ。
Larianの普通株のマジョリティシェアを保有しているにもかかわらず、『アイリッシュ・インディペンデント』は中国のテクノロジー大手テンセント・ホールディング(OTC:TCEHY)が同社の複式株式のカテゴリーにあたる株式の大規模なシェアを保有していると報じた。
グローバルな発展と成長
『Baldur’s Gate 3』の開発は、ダブリン、ゲント、クアラルンプール、ケベックなどの都市にあるLarianのスタジオネットワークを活用し、24時間体制で行われた「フォロー・ザ・サン」と呼ばれる開発方法によるものだ。 この手法とゲームの成功が相まって、Larianの業界内での知名度は飛躍的に向上した。
Larianはこれまでにも『Divinity: Original Sin』などの評価の高いタイトルを持ち、『Baldur’s Gate 3』の成功は同社にとって新たな商業的な成果をもたらした。
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【写真】Shutterstockより