米国半導体メーカーのGlobalFoundries Inc.(グローバルファウンドリーズ)(NASDAQ:GFS)の株価が、米商務省からの大規模な賞の発表を受けて下落している。
同社は、米国の半導体製造の強化を目指すCHIPS法とサイエンス法に基づく最大15億ドルの直接資金援助を受けることになった。2024年2月に署名された覚書に基づくもので、自動車、スマートデバイス、IoT、データセンター、航空宇宙・防衛などの主要産業を支援するため、チップ生産の重要な拡大をもたらすと期待されている。
この資金援助は、3つの重要なプロジェクトをサポートする。まず、グローバルファウンドリーズは、マルタ、ニューヨークの施設を拡張し、米国の自動車産業のチップ需要の増加に対応するため、同社のシンガポールとドイツの工場で既に使用されている先進技術を導入する。
2つ目は、バーモント州エセックスジャンクション(Essex Junction)のファブにおいて、次世代の窒化ガリウム(GaN)半導体(セミコンダクター)の生産を拡大するための近代化工事が行われ、それにより電気自動車、データセンター、およびその他の重要な用途に供給されることになる。
最後に、マルタのキャンパスには、AI、航空宇宙、防衛などの産業における米国製チップの需要増加に対応するため、新しい最先端のファブ(製造工場)が建設される予定だ。
Benzinga Proによると、GFSの株価は過去1年間で29%以上下落している。投資家は、Renaissance IPO ETF(NYSE:IPO)を通じて同社の株式に露出することが可能だ。
今後10年間でこれらの拡張プロジェクトには130億ドル以上の投資が行われる見込みで、その結果、直接の製造業の雇用が約1000人、建設業の雇用が約9000人創出されると予想されている。また、グローバルファウンドリーズは、ニューヨーク州とバーモント州で新たなSTEM(科学・技術・工学・数学)教育や新しい研修プログラムを含む職業訓練プログラムを積極的に支援する考えだ。同社は、環境目標に沿った全ての拡張プロジェクトを実現するために、環境保護に関する取り組みも続けていくとしている。
株価動向:本日現値でGFSの株価は41.53ドルで、2.01%安の推移。
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