先週、オーストラリア準備銀行(RBA)は政策金利を3.85%で据え置くと発表し、これにより市場は25ベーシスポイント(bps)の利下げを期待していた。それは、同日付で88%の確率という意味だ。それでも、2日間の会議の結果、中央銀行は慎重なインフレ見通しを挙げ、この決定に賛成した委員が3人に対し反対が6人だった。
銀行は声明の中で「理事会は、インフレが持続可能な水準で2.5%に達することが確認される前に、もう少しの情報を待つことができると判断した」と述べた。5月には複数年来の低水準となる2.4%の月次インフレが記録されたにもかかわらず、RBAは「今月の四半期のインフレは予測通りとなる可能性があるというデータが示され、その結果はおおむね予想を上回るものとなった」とコメントした。
市場はこの報に驚き、一段と中央銀行の外国為替市場への影響力の大きさを証明した。オーストラリアドルは反発し、大半の通貨に対する年初来損失の一部を取り戻した。特に、豪ドルは対日円で2%、対ニュージーランドドルで1%上昇した。ニュージーランド準備銀行(RBNZ)もまた、予想通り3.25%で政策金利を据え置いた。来週は、米国とカナダから新たなインフレ情報、さらにはオーストラリアの雇用統計と米国の小売売上高のデータが発表される。
主要ニュース
- 火曜日: カナダドル – 消費者物価指数(CPI)、米ドル – 消費者物価指数(CPI)
- 水曜日: 英ポンド – 消費者物価指数(CPI)、米ドル – 生産者物価指数(PPI)
- 木曜日: 豪ドル – 失業率、米ドル – 小売売上高
注目の通貨ペア
1. GBP/NZD
この通貨ペアは、5月の高値を更新することはできず、4月初旬以降のレンジ圏内にとどまっている。しかし先週末時点で、同通貨ペアは2.24750といったキーレベルを突破した。もし価格がその水準の周辺または下でオープンすれば、下げ幅の売り戻しには下への続行の可能性がある。

GBP/NZD 日足チャート、出所: TradingView
最初のサポートは約2.23800の水準にあり、一方で複数月間のレンジの下降サポートは2.22200にある。
2. CAD/JPY
日本円は、日本銀行から潜在的な金利引き上げについての明確な見解が出るまで、今後引き続き弱含みとなる見通しがある。金利が引き上げられた場合、豪ドルや日本円といった商品通貨は下落する可能性があるが、そうなるまでは豪ドルや日本円などの商品通貨は引き続き強含みとなるだろう。

CAD/JPY 日足チャート、出所: TradingView
この通貨ペアは107.050といったキーレベルを突破し、その後の下げ幅にはロングポジションを取るチャンスがあるだろう。初期ターゲットは108.500前後に、一方で長期ターゲットは約109.650になる。リテール投資家のセンチメントは66%がショートであり、このポジションは反の良い機会となっている。
その他の通貨ペアについて
- AUD/NZD:1.08180といった均衡レベルを突破し、5月の高値を上回り、中期見通しはロングに
- AUD/CAD:6月の高値を上回ったものの、4月の高値0.90300をとおしての上昇がまだ必要
- AUD/CHF:短期間の下げ幅にもかかわらずベアリッシュなトレンドを維持し続けている。ここでは先週の高値を下回らない限り、短期間のポジションを取るチャンスがあるかもしれない。
- AUD/JPY:95.250といったキーレベルを突破し、2月の高値を更新
- AUD/SGD:他の豪ドルペアと比較して上昇幅が小さかった。このポジションから分かる通り、シンガポールドルは現在かなりの強みを持っている。
- CHF/JPY:185を上回り、全ての上昇目標を達成。非常に強い上昇トレンドが継続している。
- EUR/AUD:下げ幅を取り戻し、1.77200でサポートを見つけた。さらなる下げ幅が出る可能性は、このサポートを割るかどうかにかかっている。
- EUR/JPY:今年に入ってもう一つの年間高値を記録し、172を突破。その上昇幅は実質的に垂直になっている。
- EUR/NZD:6月の大半は上昇したものの、最後は下げ幅を取り戻した。サポートが保たれている限り、トレンドは引き続き強含みである。サポートは1.92700あたりになると予想される。
- NZD/CHF:短期の下げ幅を取り戻した後、ベアリッシュなトレンドが再開。目標は4月の安値にある。
- GBP/AUD:安値に向けて下げ、2.05の流動性に到達。来週には、これが一時的な下げ幅か、長期のトレンドを逆転させる可能性がある。
- GBP/JPY:最新の高値を記録したものの、199.700を突破する最初の試みは失敗に終わった。
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