BofAの証券アナリスト、Rafe Jadrosich氏は、住宅建設業界の株に厳しい見通しが立っているとして、D.R.ホートン(NYSE:DHI)とスミス・ダグラス・ホームズ(NYSE:SDHC)のレーティングを引き下げた。
特に、Jadrosich氏は、住宅建設業界の株は2024年、低迷したと指摘しており、その理由としては金利が上昇し、需要が減退したためである。
アナリストは、住宅建設業者にとって厳しい環境が2025年上半期も続くと予想している。
また、2025年には住宅建設業者のうち7社で自己資本利益率(ROE)が低下し、注文の増加がマージンに影響を与えるともJadrosich氏は述べている。
アナリストが建築業者で最も期待するのは、トール・ブラザーズ(NYSE:TOL)とNVR(NYSE:NVR)である。TOLのバリュエーションは、他のROE(同様またはそれ以下)を持つ建築業者と比較して魅力的である。NVRは、2025年にROEが2024年と同じ水準を保つことができるとアナリストは予測している。
また、アナリストは、北東部、中西部、中部大西洋岸の住宅市場は南東部およびその他の地域を上回るだろうとし、さらにエントリーレベル市場を上回ることも期待している。
DHI:D.R.ホートン株については、アナリストは「バイ(Buy)」から「ニュートラル」へのレーティングを引き下げ、株価予想を160ドルから150ドルに引き下げた。
アナリストは、この四半期の土地コストは総コストの26%から27%を占め、上昇傾向にあり、(四半期ベースで3%、前年同期比で10%)と指摘している。なお、DHIは今後数四半期で一桁の中から高い数字でのインフレを見込んでいる。
アナリストは、厳しい住宅マクロ(支払いが高くなる金利、供給が増加)のため、DHIが土地のインフレを相殺するために価格を上げるのに苦労する可能性があると付け加えている。
アナリストは、DHIはもはや賃貸セグメントへの投資を行っていないが、賃貸在庫はすでに帳簿価額の11%を占めていると述べている。
Jadrosich氏は、2025年に賃貸物件のROE(自己資本利益率)が一桁の数字になると予想し、これが総合的なROEを100ベーシスポイント(bps)以上引きずり降ろすことになると語った。
SDHC:スミス・ダグラス・ホームズに関しては、アナリストは「ニュートラル」から「アンダーパフォーム」への格付けを引き下げ、株価予想を33ドルから22ドルに引き下げた。
Jadrosich氏は、他の建築業者と同様に、SDHCもコストのインフレ圧力に直面しているとし、更に高い住宅ローン金利が純価格を圧迫していると述べている。
また、約15%のコミュニティの成長と、より迅速な建設サイクルが納品を後押ししている一方で、アブソープション(住宅の新築物件の累計販売数)も改善する必要があるとアナリストは指摘している。
スミス・ダグラスの納品成長は、2025年には約11%の先行指標を打ち破るものの、アナリストは、予測が2025年には成長率4%を示すと予想している。
Jadrosich氏は、スミス・ダグラスが2025年には前年比13%減のバックログを持って新年を迎えると見込んでいる。
株価の変動:月曜日の最後の時点で、DHI株は2.64%高の146.69ドル、一方でSDHC株は0.37%低の24.22ドルを記録している。
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