ゴールドマン・サックス・リサーチ(Goldman Sachs Research)は最新のリポートで、S&P500指数がさらなる下落を見せる可能性があると述べたが、一方で同社のアナリストは、トランプ政権や米連邦準備制度理事会(FRB)による「主要な政策の転換」があれば、市場が回復する可能性もあると述べている。
出来事:ゴールドマン・サックスのアセット・アロケーション・リサーチをリードするクリスチャン・ミュラー・グリスマン(Christian Mueller-Glissmann)氏は、依然として米国の市場がさらなる調整リスクにさらされているとの警告を発した。彼は、市場が予想される景気後退に関係なく、今後の調整に対するリスクが上昇していると述べている。
「株式の時価総額リスクの確率はまだピークに達していない。」と彼は述べた。リポートには、「S&P500の確率を予測する当社ストラテジストのアクティブモデルによると、米国株のさらなる下落リスクが示されている。」とも書かれている。
ゴールドマン・サックス・リサーチが市場調整がまだ続くと見ている理由は以下の通りだ。
- 1月以来、同モデルにおいて上昇リスクが予測されており、これからのさらなる下落の確率がピークに達していない。
- マクロ経済環境の悪化と株式時価総額の減少は、市場の底値がまだ打たれていないことを示している。
- 投資家のセンチメントを測定するリスクアピタイトインジケーター(上昇確率)は、政策や経済の変化がなくとも「-2」の水準には達していない。過去にはこれは潜在的な市場リバーサルのサインであったが、指標は強い買いの機会を示すポイントを超えている。
- 小売投資家の自信を支える重要な銘柄である「マグニフィセント・セブン」のテクノロジーストックに大きな下落が見られ、これらの銘柄のさらなる下落は投資家のセンチメントを損なう可能性がある。
- 米国を上回っている欧州株式と中国株式が歴史的にも米国を上回ることはあるが、大きな調整の際には最終的には米国に追随する。したがって、米国の調整が深刻化した場合、これが世界の市場を引き下げる可能性もある。
なぜ重要か: ミュラー・グリスマン氏は、自身の株式の時価総額モデルの大きな制限を認めている。政策変更の要素が含まれていないという制限だ。
彼は「大統領やFRBによる大規模な政策の転換があれば、もちろん市場ははるかに早く回復する」と語った。
市場の揺らぎにもかかわらず、今年の株式と債券の割り当てがそれぞれ60%と40%で構成されるような古典的なポートフォリオは、今年も依然として順調に動いていると彼は指摘している。 “米国株は下がり、一方で債券は今年に入ってから上昇している。欧州では、債券は下がり、株式は上がっているでしょう。”と ミュラー・グリスマン氏は語った。
したがって、これらの地域全体で株式と債券を保有することで達成されたポートフォリオの多様性は、今年の初めのボラティリティにもかかわらず、ポートフォリオの収益を成功裏に維持したと言える。
これに加えて、3月30日時点でゴールドマン・サックスは米景気後退の確率を20%から35%に引き上げている。
株価情報:金曜日、S&P500指数とナスダック100指数をそれぞれトラックするETFである、 SPDR S&P 500 ETF トラスト(NYSE:SPY)が2.01%減の555.66ドルで取引を終えた一方、 Invesco QQQ トラスト ETF(NASDAQ:QQQ)は2.63%減の468.94ドルで終了した。 [Benzinga Proデータによる。
月曜日、ダウ指数の先物相場は0.35%減、S&P 500指数の先物相場は0.62%減、ナスダック100指数の先物相場は1.10%減となっている。
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