米国上院議員エリザベス・ウォーレン(マサチューセッツ州選出、民主党)は、新しく発足した政府効率化省が政府支出を削減するための戦略を、テック業界の大物であるイーロン・マスク(以下「マスク氏」)に提案した。
出来事の内実:ウォーレン氏はマスクへ宛てた手紙の中で、政府の親友であり政府効率化省の長官であるドナルド・トランプ大統領(共和党)に最大30件の提言をまとめた。その一つの最重要提案として、国防省の契約の交渉を改善することが挙げられている。
そのほかの提案には、国防総省再交渉委員会の再創設を挙げ、過剰な利益の取得に異議を唱え、軍が民間職業を行うのを防ぎ、国防請負業者に対する企業福祉の提供を停止することが含まれている。
ウォーレン氏は、グァンタナモ湾の収容者を他の国に移送するよう求め、そして「世界で最も高価な拘置プログラム」を閉鎖する措置を取るよう要求した。
ウォーレン氏はこの提言が実行されれば、国防支出に関しては、次の12年間で2000億ドルの節約につながると述べた。
ウォーレン氏の次のアドバイスは、連邦保健保険プログラムであるメディケアに関するもので、これには薬価交渉、製薬利益マネージャーに厳しく対処すること、そして製薬会社の特許濫用に対処することが含まれていた。
一方でウォーレン氏は、メディケアの給付削減に反対し、そういった動きを「アメリカ市民にとって『残酷』な動き」と呼んだ。
ウォーレン氏は、大企業と裕福な人々に利益をもたらす法令脱法行為を終了することを求めた。
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今回の出来事の背景:こうした提言は、ウォーレン氏が以前、マスク氏がトランプ政権で果たしている役割や、潜在的な利益相反について懸念を示して以来のものである。ウォーレン氏は、マスク氏はトランプ政権の下でCEOを務める多くの企業の1つであり、その中にはスペースX社とテスラ社も含まれていると述べた。
政府効率化省(DOGE)は、連邦政府の支出削減と無駄な規制の廃止を担当する団体だ。しかし先週、マスク氏は自身の積極的な連邦予算削減の取組に関して引き下がった。彼は選挙集会で最低でも2兆ドルの節約と言っていたものが、「最良のケース」になると表現を変えたのだ。
DOGEは先週のトランプ大統領の就任直後、設立後間もなく、対立の連続に見舞われた。
株式動向:一方、24時間以内の取引で、ドージコイン(仮想通貨:DOGE)は0.3459ドルで取引がなされ、前日比2.40%減の水準となっている(Benzinga Proのデータによる)。
これに伴い、ドージコインという暗号通貨の象徴となっていたシバイヌのイメージが、政府効率化省のウェブサイト上から削除された。
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