株式投資のスタイルが変化するのを見るのが好きな人には、MicroStrategy Inc. (NASDAQ:MSTR) の株価が、Bitcoin(仮想通貨:BTC) の動きから逸れているように見えるかもしれない。同社が11月から0%変換社債を発行し始めてから、この傾向が顕著になっている。
出来事の内実:時価ベースで見たMSTRの株価は、先月の上旬から20.34%下落している。一方で、同期間にBitcoinの価格は4.34%しか下がっていない。
Kobeissi Letterによると、この2つの資産の間には大きなギャップができてきているという。
MSTRは、Bitcoinの総供給2100万に対し、2.116%のBTC/USD保有比率を持つ唯一の公開企業で、そのコストは411.1億ドル(約4兆6000億円)になる。同社は2024年にさらに200億ドルの債務を調達し、これでビットコインを購入する予定だ。
このスレッドの中で、別のポストでは「今年の大半は、MicroStrategyとBitcoinの相関関係は極めて強かった」としつつも、「ところがここ1カ月間で何かが変わり始め、特にMicroStrategyが多額の債務を抱え出したことが大きかった。その後、同社は10億株の普通株を新たに発行することを提案した」と述べている。
Kobeissiによると、MSTRはBTCへのレバレッジプレイと見なされているため、こういった2つの資産のパフォーマンスの違いは存在するべきではない。しかし、3倍レバレッジのS&P 500 ETFを例に挙げ、Kobeissi氏はこういった資産の動きについて説明している。
Kobeissiによると、MSTRのモデルはまず「0%変換社債を通じてお金を借り、その後ビットコインを購入し、価格を高く押し上げる」という考え方だ。Kobeissi氏は、MicroStrategyがその後も高値で新株を売り、その利益を使ってさらにビットコインを買い増しし続けると説明している。そしてこのプロセスが繰り返される。
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今回の出来事の意味: 先週火曜日、MicroStrategyは普通株330,000,000株(1株あたり0.001ドル)から10,330,000,000株に、また優先株5,000,000株から1,005,000,000株に株式の承認株数を増やす提案を出した。
Kobeissi氏は「もし提案が承認された場合、多くの投資家はこれが既存株主にとって非常に価値を下げる動きだと言うだろう。しかし、もし提案が否決された場合、MicroStrategyはビットコインをレバレッジで購入し続けることができなくなる」と述べた。
しかし、この株式承認案件の承認が上がる確率は非常に高い。なぜなら、同社の共同創設者であるMichael Saylor氏は現在、同社の投票権のうち46.8%を保有しているからだ。
さらに、MicroStrategyを追跡するETFにも大きな変動が見られている。これは同社のボラティリティの高いスワップやオプションに起因すると考えられている。
今年9月18日に発売された米国上場の2つのETF、すなわちT-Rex 2X Long MSTR Daily Target ETF(NYSE:MSTU)とDefiance Daily Target 2x Long MSTR ETF(NYSE:MSTX)、はいずれもMicroStrategyの日次リターンの2倍のリターンを提供しようとするレバレッジETFである。しかしこちらも最近、2つのETF間に変化が見られている。
株価騰落:月曜日、MicroStrategyの株が8.19%下落し、取引時間外にはさらに3.09%下落して1株293.59ドルになった。株式の日付別リターン率は、米国株式市場の指標であるナスダック総合指数(31.97%)を大きく上回る342.15%となっており、(Benzinga Proの)データによると、同社はここ1年間で大きな利益を生んだ形だ。
Benzingaが追跡する12人のアナリストのうち、MSTRの株については1株あたり449.5ドルに設定された株価ターゲットで「購入」のレーティングが付いている。
Bernstein、TD Cowen、Barclaysの各証券アナリストが最近発表した3つのレーティングによると、MSTRの株価は現在の水準から86.20%上昇する見込みがある。

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