トランプ政権が中国に対する関税を強化する一方で、中国のリーダーが冷戦時代を思わせる超大国対立の舞台裏を探っている。
出来事: ウォールストリートジャーナル(WSJ)の最近の報告では、中国の習近平主席が米国との貿易摩擦の激化が中国の孤立を招くことを懸念しているという見解が示されている。米国大統領ドナルド・トランプが最近のグローバル経済での立ち位置を悟られているように見えるが、中国の内政経済には守りの要素があるのだ。
トランプ大統領はこのたび、米中関係が緊張する中、中国に対する関税を引き上げた。この動きは中国の公式を巻き込んでおり、中国の要人はまだ、先の見えないアメリカの指導者との関係をどう舵取りするか模索しているところだ。
中国は今回の衝突で世界秩序を再定義しようとしていたが、その過程で後退を余儀なくされた。習主席が現在抱えているのは、貿易規制や制裁が中国を孤立させ、ソ連時代のような状況になるのではないかという恐れだ。中国の一流要人周辺のアドバイザーが明らかにしたところによると、習氏は「中国がモスクワのような状態になるのではないか」と懸念しているという。
貿易圧力が増大しつつあるにもかかわらず、北京は2025年までの実質GDP成長率を約5%という目標を設定し、中国経済が締りきった貿易圧力に耐えるとの期待を示している。中国外務省の報道官は「米国が望むのが戦争なら、関税戦争、貿易戦争、あるいはその他のなんらかの戦争であれ、最後の一滴まで戦う覚悟がある」と語った。
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出来事の背景: トランプの『アメリカ第一主義』政策が北京にとって大きな懸念材料となっている。これは、90年代半ばに世界貿易機関(WTO)によって確立された貿易ノルムに危機が迫っているからだ。中国が輸出先である低コストの商品を世界市場に供給する一方で、外国企業に対する国内市場へのアクセスを制限していたのは、このノルムのおかげである。
中国が追い詰められることに対する懸念が、トランプの関税引き上げに対する強硬な対応として表れている。対応内容には、選定されたアメリカ製品への報復関税、アメリカ企業への制裁、WTOへの苦情申し立てが含まれている。WSJによれば、米国は中国に対して基本的な経済改革の実施を迫るかもしれない。しかし、習氏がこれを受け入れる可能性はないだろう。
一方、米中間における軍事紛争の可能性は完全に無視できない。元米国議員で、Palantir Technologies Inc.(NASDAQ:PLTR)の国防担当副社長であるマイク・ガラガー氏は、北京の軍事的意図に警告を発しており、米国が潜在的な軍事紛争に備えるのに不十分であると述べている。
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