本日の取引では、株価は前回終値から0.73%上昇の322.44ドルで推移している。過去1か月、Air Products & Chemicals Inc.(NYSE:APD)の株価は3.64%、過去12か月では20.61%上昇している。このような業績を叩き出したことで、長期間の株主は楽観的だが、株価が過大評価されていないか利益相場率を見る可能性のある投資家もいるだろう。
株価/利益(P/E)比をAir Products & Chemicalsの業界平均P/E比34.85と比較すると、その差が明らかだ。この数字がどのように読み解けるかは、この後詳しく説明していく。
Air Products & ChemicalsのP/E比とライバル社のP/E比を比較
株価/利益(P/E)比は、企業の株価をその1株利益で割ったものである。長期投資家は、これを使い、過去の利益と企業の業績、またS&P 500のような指数や業界の過去のデータと総合市場データとを比較し、企業の現在の業績を分析する。高いP/E比は、投資家が企業の今後の業績が好調と考えていることを示しており、株価が過大評価されている可能性があるが、必ずしもそうではない。株価が高騰しているということは、投資家が今後の四半期の業績が上向くことを期待して、株価が高くなっているとも読み取れる。だからこそ、投資家は将来の配当についても楽観的になるのだ。
実際、Air Products & ChemicalsのP/E比は、化学工業全体のP/E比34.85よりも低い数字になっている。このことから、この数字を見ると、この銘柄はライバル企業よりも業績が悪いと考えることもできるし、一方で過小評価されていると考えることもできるだろう。
株価/利益(P/E)比は、企業の市場業績を評価するための有用なツールだが、その使い方には注意が必要だ。低いP/E比は過小評価の兆候である一方で、企業の成長見込みが弱いか、財務上の不安定要素を示す可能性もある。さらにP/E比は、投資家が投資判断をする際に考慮すべき多くのメトリクスのうちの1つにすぎず、他の財務比率、業界トレンド、質的要因と併せて評価する必要がある。企業の財務健全性を包括的に分析することで、投資家はより健全な投資判断を下すことができ、その結果、成功を収める確率を高めることができるだろう。