米国企業の四半期ごとの収益報告義務を廃止するというドナルド・トランプ大統領の計画は、市場解説者の間で鋭い議論を巻き起こしており、この動きが米国株市場を強化するか弱体化させるかで意見が分かれている。
この動きは透明性を損なう恐れ
アナリストのジョセフ・カールソンは、四半期報告が短期的な思考を促すという議論を退けた。「四半期ごとに数値を報告することで企業が短期志向になるという考えはナンセンスだ」とカールソンは述べている。
米国企業がAIインフラに対して過去に例を見ない長期投資を行っていることを指摘し、月次で販売数値を報告しているコストコ・ホールセール・コーポレーション(NASDAQ:COST)は長期的な視点で運営されていると指摘した。カールソンは、実際のリスクは透明性の低下にあると警告した。
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カールソンは、四半期ごとの収益報告をなくしてしまうと投資家は「より不透明になり、情報が更新されにくくなり、株式の価格設定も悪化する」と述べている。また、タイムリーな報告がなければ「企業の状況を投資家が把握できるまでに5ヶ月もかかることもある」と付け加えた。カールソンは結論として、「透明性は良いことだ」と強調している。
「90日サイクル」はビジネスの実態と異なる
しかしながら、他の専門家やアナリストはトランプの計画を支持する見解を示しており、マーケット戦略家のトム・リーは「ビジネスは90日サイクルでは動かない。これが多くの企業が非上場のままでいる理由だ」と述べている。リーは、現在の報告ペースから離れることで公募市場の圧力が緩和されると述べている。
同様に、経済学者のトリン・グエンは、四半期報告義務なしでオペレーションしている先進国市場がいくつかあることに言及し、この動きを支持する見解を示した。
グエンは「米国は四半期ごとの収益報告義務を廃止すべきだろうか? まあ、イギリスもEUも報告義務はないが」と述べ、ブラックロックCEOラリー・フィンクや元国務長官のヒラリー・クリントンなどの有力人物でさえこの考えを支持していることを指摘した。
「これは短期志向を減らすと人々が考えている改革の一つであり、これはかなり超党派的である」とグエンは述べている。
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写真提供:Joshua Sukoff / Shutterstock.com