ユニクロを運営するファーストリテイリング(OTC:FRCOY)の創業者でCEOの柳井正は、米国のトランプ大統領が課した関税に対して米国が最も大きなコストを負う可能性があると警告した。
世界に『破産の危機』を警告
米ニューヨーク市で月曜に行われたユニクロのイベントで講演した柳井は、トランプ政権が課した関税と貿易障壁の結果、世界が「破産する可能性がある」と懸念を示したが、その一方で「アメリカは最も大きな被害を受ける側だ」と述べた。ロイター通信が報じている。
トランプ大統領、関税政策転換ならば「数兆ドル規模の債務返済を迫られる」
アジア最大級のアパレル企業の1つであるファーストリテイリングは、欧州と北米に向けて積極的な拡大計画を描いている。
しかし、生産の大半を南アジアと東南アジアに集中している同社は、以前に米国での事業に関税が与える影響を指摘しており、それ以来、影響を緩和するために価格を引き上げる意向を発表している。
関税は米国消費者を『紙の虎』にする可能性も
エコノミストのピーター・シフは、トランプの最近のインドからの輸入品に対する50%の関税に続き、ここ数カ月間同様の懸念を表明している。
米ドルへの影響を予想しているシフは、「ドルの暴落はアメリカ人を貧しくするが、外国の消費者、特にBRICs諸国を豊かにする。米国の消費者が死を迎えれば、新興国の消費者が誕生することになる」と述べている。
シフは何度も警告している米国消費者に与える関税の影響について。1ヶ月以上前にEUの貿易協定が結ばれた際、シフは「我々は大半のヨーロッパ製品を購入する際15%の関税を支払うことになるが、ヨーロッパ製の鉄鋼、アルミニウム、銅を購入する際には50%の関税を支払うことになる」と述べ、「アメリカ人はまたも敗者になる」と付け加えた。
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