イギリスの半導体デザイン企業アーム・ホールディングス(NYSE:ARM)が、自社製品の価格を最大で300%引き上げる計画を立案中であり、自社での製品製造についても協議していることが明らかになった。この戦略の転換は、アップル(NASDAQ:AAPL)やクアルコム(NASDAQ:QCOM)など大手顧客との関係を大きく変える可能性がある。
出来事: ソフトバンクの支配下にあるアーム社は、最新のArmv9コンピューティングアーキテクチャのロイヤルティ率を引き上げることを中心とした戦略「ピカソ」によって、10年間で年間スマートフォン収益を概算で約10億ドル増加させることを目指していると、米ロイター通信が報じた。 この戦略は2019年に遡るもので、最新のArmv9コンピューティングアーキテクチャのロイヤルティ率を引き上げることを中心としている。
アーム社のCEORene Haas氏は、自社の従来の役割であるチップ設計の設計図の販売に留まらず、完全なチップまたはチップセットを製造する可能性についても検討している。 この動きにより、アーム社は現在の顧客に対し、特に同社の2024会計年度の比較的控えめな323億ドルの売上を超える成長を求める中で、直接的な競合相手となる可能性がある。
裁判の中で明らかになったアーム社内部のやり取りの中で、Haas氏が同社がチップ製造に参入した場合、競合他社との戦いに自信を持っていることが分かった。「その他はホースだ」とHaas氏は2021年12月のメッセージで、クアルコムなどの企業との競争について述べた。
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なぜ重要か: この戦略の転換は、2021年時点で800億ドルと評価された、ソフトバンクが買収を検討中のアンペア・コンピューティング(Ampere Computing LLC)の買収を検討しているタイミングで発表された。アーム社はこの潜在的な買収を通じて、特にサーバ市場において、そのテクノロジーのライセンス供与者から完全なチップメーカーへと進化することができるだろう。
業界のアナリストは、この動きの意味について懸念を表明している。「これを聞いたら、大手顧客はゾッとするだろう」とTantra アナリストの創設者プラカシュ・サンガム氏は語り、アーム社のチップ製造への意欲が予期せぬものであることを指摘している。
株価の変動: 火曜日、アーム・ホールディングスPLCのADRSは1株137.07ドルで取引を終え、終値ベースで前日比2.43%安となった。 報道の発表時点で午後取引では、同株は1.26%上昇している。 過去1年間、同株は実に100.16%急騰している。
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