水曜日の朝、ラスベガスのトランプ・インターナショナル・ホテルの前で発生した、テスラ(Tesla)製サイバートラックの爆発事件について、実行犯は以前にも民主党員を追放するよう求めるツイートをしていた。
出来事の詳細37歳のマシュー・リヴェルズバーガー(Matthew Livelsberger)氏が自らの命を絶つ前に、7人に怪我を負わせた。ラスベガスのCBS系列局KLASによる報告によれば、リヴェルズバーガー氏は爆発車両の中で見つかった携帯電話とノートPCに手記を残していったという。
これらの手記から、特殊部隊の一員であるリヴェルズバーガー氏は、軍隊の戦友を始めとした国の進む方向に不満を持つ人々に対し、民主党を主な標的とした「追放」を促す内容を明かしていた。
警察が確認した手記は、「目を覚ませ!我々を率いているのは、自分たちだけを潤わせる弱くて無策なリーダーシップだ。軍と退役軍人でDCに行動開始。民兵はこれを支援し、活動を増幅させる。連邦機関と連邦機関のキャンパスのすべての主要な幹線道路を、数十万人の民兵で占領せよ。皆で立ち往生させ、その後に大型トラックで周辺の高速道路を封鎖せよ。民主党を政府と軍から追放するため、まずは平和的な手段を使ってみるが、最終手段として戦う覚悟を取っておけ。我々は全員追放し、国が崩壊を避けるためには再起動が必要だ」と読まれている。(出典)
リヴェルズバーガー氏は別の手記の中で、自身の国の富裕層や文化の進む方向に対する不満も表明していた。
リヴェルズバーガー氏はその中で、次期大統領のドナルド・トランプ氏およびトランプ氏の側近であるロバート・F・ケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr.)氏、イーロン・マスク(Elon Musk)氏を称賛し、一方で次期副大統領のカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏、そして多様性、公平性、包摂性の取り組みを批判していた。
彼は「‘24年の最後の日没を考えると、私の行動が私たちの病気の終わりで、私たちの国民の健康の新しい章の始まりである。トランプ、マスク、ケネディの名のもとに団結し、この波に乗ってより高い支配権をすべての米国人にもたらそう! 我々は誰にも2番手ではない」と記していた。
なぜ重要なのか:リヴェルズバーガー氏の行動とそのメッセージは、国の現状に対する不満を表現するために暴力に訴えた、深刻な問題を抱えた1人の男の行動を浮き彫りにしている。
彼の民主党に対する「追放」の呼びかけと、特定の政治的な人物を称賛する様子をみると、国内での政治的な分断や緊張がいかに深刻なものであるかが分かる。
この事件は、極端なイデオロギーから発生する可能性のある暴力を思い知らされる出来事となっただろう。
続きを読む