億万長者の投資家レイ・ダリオは、連邦準備制度理事会の金融政策の転換の兆候が金融資産の「1999年の『melt-up』のような状態」を引き起こす可能性があるとの厳しい警告を発した。
ダリオ、FRBの量的引き締めに警鐘
ブリッジウォーター・アソシエイツの創設者は詳細な投稿の中で、FRBは危険なほど「不況に立ち向かうのではなく、バブルに燃料を供給している」と述べ、危機に対応するというこれまでの役割から重大な逸脱を示した。
ダリオの懸念は、量的引き締め(QT)として知られるバランスシートのダウンサイズを遅らせるというFRBの最近の発表に集約されている。
FRBはこれを「技術的な操作」と説明しているが、ダリオはこれを、全く逆のタイミングで起こっている決定的な緩和策と解釈している。
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量的緩和は「バブルへの刺激」
ダリオは今日の経済状況と過去の危機を対比させ、過去の量的緩和(QE)プログラムは「不況への刺激」であったと指摘した。
2008年の金融危機や大恐慌のような過去の場合、資産の評価は低く、経済は弱く、失業率は高かった。
「今日ではその逆が当てはまる」とダリオは書いている。資産評価の高さ、強い経済状況、低い失業率、そしてインフレ率は未だにFRBの目標を上回っているのだ。「つまり、今日の量的緩和はバブルへの刺激となっている。」
ダリオは、この流動性の注入により、テクノロジーやAI株、金などのインフレヘッジのような長期資産が押し上げられると予測している。
過剰流動性は1999年の市場反応を再現か
ダリオは、市場の反応は「1999年後半または2010～2011年のようなものになる可能性がある」と予測し、「やがてリスクが高くなり抑制されなければならなくなる強力な流動性のmelt-upが起こるだろう」と述べている。
投資家は現在の戦略を、中央銀行が大規模な政府赤字の資金調達を開始するという「ビッグ・デット・サイクルの晩期によく見られる動態」の一例とした。
また、ダリオは、財政と金融の緩和策を「成長、特にAIの成長に対する大胆で危険な大博打」と特徴づけ、過去の景気刺激策よりも「より危険でよりインフレ的」であると警告した。
S&P 500は7,000レベルに接近
S&P 500の過去52週間の高値は6,920.34ポイントだった。しかし水曜日には6,796.29ポイントで0.37％上昇した。7,000レベルまであと200ポイントという状況で、一部のアナリストは、S&P 500が7,000を超える可能性があると予想している。
水曜日にS&P 500、ダウジョーンズ、ナスダック100が上昇して取引を終えた一方で、木曜日には先物が下がっている。
S&P 500指数とナスダック100指数をそれぞれ追跡しているSPDR S&P 500 ETFトラスト（NYSE:SPY）とInvesco QQQ Trust ETF（NASDAQ:QQQ）は火曜日に上昇した。SPYは0.35％上昇して677.58ドル、QQQは0.65％上昇して623.28ドルだった（Benzinga Proのデータより）。
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