トランプ政権は、合衆国内に居住する30万人以上のベネズエラ人に対して、近く追放の脅威が迫ることになりそうだ。これは、ニューヨーク・タイムズが入手した政府文書によると、政府の公式な決定によって明らかになった(リンク)。
このニュースは、トランプ政権の高官とベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領との会談の結果を受けて明らかになったもので、これによりベネズエラの合法移民が米国に留まることができなくなる可能性が高まった。その会談について、トランプ大統領は先週土曜日の投稿でTwitterの新アカウント「Truth Social」を通じて発表している。また、カラカスでのこの会談は、ベネズエラ政府によって拘束されていたアメリカ人6人の釈放にもつながった。
ニューヨーク・タイムズの報道は、トランプ政権のTSP(Temporary Protected Status)プログラムへの強硬姿勢を浮き彫りにしている。トランプ政権はこのプログラムの廃止を進め、これによって、ベネズエラの合法移民に対しても米国への滞在の許可が停止される見込みだ。このような動きが進む中で、現在のところ、このプログラムを巡りトランプ政権とベネズエラ政府との間で公式の立場は発表されていない。
トランプ政権、速やかに動く
TSPの過去の廃止例では、エルサルバドルやハイチの場合、このプログラムによって合衆国に滞在している人々に対しては、最低でもそのステータスが失効するまでに12から18カ月の猶予が与えられていた。しかし、今回の場合、トランプ政権はより迅速な動きをしている。TSP 2023の許可を受けたベネズエラ人は、廃止通告が発行されてからたった60日後にその特別な居住ステータスを失うことになる。
共和党の批判家たちは、TSPがもともとは一時的な救済措置を提供することが意図されていたものの、事実上は永住者のためのプログラムに変質してしまい、そのために誰もが対象となるべきではないとの考えを持っている。
現在、30万人以上のベネズエラ人がTSPの恩恵を受けている一方、25万人以上のベネズエラ人が少なくとも9月までには合衆国から追放されることはないという保護を受けている。このうちの後者のグループには、今回の政府の決定が直ちに影響を与えるわけではないが、現在のトランプ政権の決定は、彼らのステータスも危機にさらされる可能性があると示唆している。
筆者がこの記事を執筆した時点では、ベネズエラ政府からはまだ公式の回答はない。
次に読む:
写真:シャッターストック