デルタ航空(NYSE:DAL)は、先週トロントで緊急着陸を行った便の乗客1人につき3万ドル(約3,300万円)の「条件なし」の補償金の支払いを提案しました。法律アドバイザーは乗客がこの案件を受け入れるべきかについて評価を述べています。
出来事:先週、ミネアポリス・セントポール国際空港を出発した便4819便がトロントで緊急着陸したことを受け、デルタ航空が搭乗していた76人の乗客および乗員4人1人につき3万ドルの支払いを提案しました。全員の乗客は緊急着陸事故で生き延びましたが、そのうち21人が身体的な怪我を負いました。デルタ航空によると、乗客全員が病院を退院しているとのことです。
デルタは、乗客の権利を侵害せず、条件も一切付けないことを強調しました。法律家は、これを「前払い」と評価し、乗客が将来法的手段を求めることを妨げるものではないと述べています。この支払いは、航空会社が責任を認めた意味ではありません。
ワルシャワ条約とモントリオール条約によると、国際線での死亡または負傷の場合、航空会社は乗客に対して補償を支払う義務があります。
Aviation Law Group PSの弁護士ロバート・ヘドリック氏は、この提案を受け入れるよう乗客に促し、「これは航空会社を一切の請求から解放する完全かつ最終的な解決を意味するものではない」と述べましたが、これはMarketWatchが報じました。一方で、Rochon Genova’s Aviation Litigation Groupのトップであるヴィンセント・ジェノバ氏は、乗客が署名を求められていない点から、乗客がこの金額の支払いを受け入れる理由はないとMarketWatchに語りました。
一方で、フォーチュンは、この支払いのプロセスが小切手の送付ほど簡単ではない可能性が高いことを指摘し、乗客が署名する契約書の細かい部分を十分に確認することを勧めています。
法律事務所Wisner Baumの航空機事故に強い弁護士Timothy A. Loranger氏はフォーチュンに対し、「重大な怪我を負った人々にとっては、3万ドルという金額は大幅に不足しており、全額の補償とは程遠い」と指摘しました。
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なぜ重要なのか:この出来事は、2月15日に発生した2つの小型機の衝突事故の報告に続くものです。この事故は、2名の死者を出す結果となり、乗客の安全性と航空業界における航空会社の責任の重要性を裏付けるものとなりました。
デルタ航空が「条件なし」として補償を提案したこの姿勢は、乗客の安全を第一に考え、法的な紛争に巻き込まれないための肯定的かつ戦略的な動きとして大きく評価されていますが、法律の専門家は乗客に注意するよう求めています。
一方、ミネアポリスを拠点とするニュース専門チャンネルであるKare11は、この緊急着陸事故で生存した数人の乗客に連絡し、デルタ航空の提案は「利用規約」の部分が非常に長く、彼らは法的専門家に相談していると報告しました。
株価動向:過去5日間でデルタ航空の株価は4.95%下落しました。この1年間で、株価はBenzinga Proによれば47%以上上昇しています。
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