強い需要継続、優良株として注目される台湾TSMC
「2025年の台湾TSMC(NYSE:TSM)でのウェハオーダーは、約37万枚(低一桁の変動は通常範囲内)で、TSMCの拡張計画には変更はありません。2025年12月までに月7万枚をターゲットにします」(郭氏)
株式市場での出来事 3月14日、メモリアルドライブ(NASDAQ:MU)のウェハのオーダーが市場で大規模に削減されたとの報道がなされた後、市場の一部を中心に、NVIDIAのウェハオーダーも削減されるとの噂が浮上した。ウェハ(ウエハ)は、半導体製造時に用いられる円盤状の基板。NVIDIAの場合、TSMCのウェハを使って自社のGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)製造に活用している。この噂を受けてNVIDIA株は5.5%下げた。
しかし、同日、話題のアナリスト、郭明錤氏はこの噂を否定、TSMCの拡張計画は順調に進行しているとの見解を示した。
郭氏によれば、これらの噂はNVIDIAの生産戦略を誤解したものであり、TSMCの生産能力に対する誇張が反映されたものとなっている。
郭氏は、市場の一部がTSMCのウェハ生産能力を過大評価し、また、NVIDIAがB200からB300シリーズのGPUへの生産移行が予想より速かったことを、ウェハのオーダー削減の兆候と誤解していると指摘した。
出来事の背景 この噂を受けてNVIDIA株は5.5%下げ、TSMC株は4.6%下げた。
CoWoS工程は、データセンターやAIモデルで使用されるGPUの高性能コンピューティングを可能にするもので、NVIDIAのAIチップ製造にとっては非常に重要なものだ。
郭氏の報告は、NVIDIAのインパクトの強い四半期決算の直後に発表された。AIチップ大手は第4四半期の売上高が393億ドルであると発表したが、これは前四半期比で12%、前年同期比で78%の増加を記録した。
この数字は、ウォール街の予想を上回る3,805億ドルを記録した。
一方、TSMCは第4四半期の売上高を268.8億ドル(新台湾ドル8684.6億)と発表し、これは前年同期比で38.8%の増加を記録し、アナリストの予想を上回る2,628億ドルとなった。
株価の変動 投資家が、NVIDIAの製品に対する需要の減少を懸念しているのは偽りの情報に基づいたものだということが分かると、NVIDIA株は前日比1.7%上昇し、TSMC株は1.5%上がった。
注目すべきは なお、NVIDIAの株価は年初来で約9.68%下落し、TSMCの株価は10.44%下落している。 (Benzinga Proのデータによる)
次に読むべき記事 3月14日、記者の間でNVIDIAのウェハオーダーが削減されるとの噂が流れたことを受けて、投資家がNVIDIAとTSMCの株を売却する動きが見られた。投資家は、AIの需要低下を受けてNVIDIAの製品への需要が低下するとの懸念から、この動きを取ったと考えられる。
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