Alphabet Inc(NASDAQ:GOOGL)(NASDAQ:GOOG)の2025年のイノベーション戦略が具体化し、ウォール街がこのテックタイタンに注目している。
JPモルガンのアナリスト、ダグ・アンムーサ氏は、今年の成長の柱として、アルファベットのGoogle部門における生成AI、技術基盤、自動車運転支援の多くの進歩を受けて、今後の同社の楽観的な見通しを示している。
アンムーサ氏は、「Googleのイノベーションが加速したペースは、新しい年には非常に明確で、最近発表された多くの重要な製品にも示されている」と述べ、2025年12月までにGOOGとGOOGLの両株式について共に232ドルの株価目標を設定し、過去よりもほぼ20%上昇した株式の「オーバーウェイト」評価を再確認した。
生成AI:Gemini 2.0が話題を独占
アンムーサ氏は、AIにおけるGoogleのリーダーシップを、同社の成長の展望の要として挙げている。Googleが最近発表したGemini 2.0の製品ロールアウトは、同社のイノベーションを象徴している。
アンムーサ氏は、「Gemini 2.0とその関連アプリケーションであるNotebookLMとJulesは、同社がAIの風景を再定義する能力を示している」とコメント。
LLM(言語大規模モデル)に加え、Googleの技術基盤のアップグレードも強調されており、これには同社の第6世代TPU Trilliumが含まれる。12月に発売されたWillow量子チップは、Googleの長期的なビジョンを反映している。実際のビジネスへの影響は時間がかかるかもしれないが、アンムーサ氏はこの戦略的な重要性を強調する。「WillowはGoogleがテック革新の最前線にあり、同社の長期的なポジショニングを補強する」と述べた。
Waymo :世界的な展開の一環
Alphabet傘下の自動運転部門ウェイモは、日本でのビジネスを開始する準備を進めている。これにより、同社は初めて国際市場への進出を果たすことになる。Waymoは日本国内のタクシー会社「日本交通」と、ソフトバンクグループ傘下の自動車部品メーカー「GO」をパートナーシップとし、2025年初頭までに東京の市場へ投入する予定。アンムーサ氏によれば、「Waymoの東京でのパートナーシップ戦略は、異なる市場に対する異なる商業化アプローチへの適応能力を示している」とのこと。
ウェイモが他の自動運転企業と異なる強みとして掲げるのは、安全性という観点からものがある。最近、スイス再保険が行った、人間の運転手とウェイモの安全記録を比較した調査によると、ウェイモの安全記録は人間の運転手のそれに比べても優れているという結果が出ている。アンムーサ氏によれば、この結果は「自動運転車の採用を増やす上で極めて重要なものである」とのこと。なお、GMの自動運転車部門クルーズも、最近、自動運転タクシーの事業規模を縮小する方針を明らかにしている。
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Android XR:拡張現実への大きな一歩
Googleは、拡張現実(XR)領域にも進出しており、VR/ARデバイス用プラットフォームAndroid XRを提供している。
同社は、次世代コンピューティング用のエコシステムを構築するため、サムスンと提携している。 アンムーサ氏は、「Android XRによって、Geminiを搭載した新しいアプリケーションへの新たなアクセスポイントがGoogleによって提供されると信じています」と説明している。
規制に関する懸念が払拭
規制の面では、米司法省の検索分配訴訟におけるGoogleの是正策提案が、現実的な方法で対処しているという手応えが出てきた。
アンムーサ氏は、「この提案は、より良い解決策を導く可能性があることを示すため、その範囲と期間は以前よりも狭くなっている」とコメント。 アナリストはまた、政権が変われば、規制環境がより良くなる可能性があると指摘している。
評価は引き続き魅力的
予想される2026年の収益に対する株価は約18.5倍で、そのためGoogleの評価は引き続き魅力的である。
アンムーサ氏は、CFOであるAnat Ashkenazi氏のもと、買い戻しの増加や運用効率の向上といったさまざまな追い風を強調している。「2025年には、米国会計基準に準拠した営業利益率が前年比80ベーシスポイント増の33%にまで拡大すると予測しています」と、アンムーサ氏は語っている。
投資家にとっては、この話ははっきりしている。GoogleがAI、インフラ、その他の領域でイノベーションに焦点を当てている点は、同社が業界をリードしようとする意欲を示している。
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写真: Shuterstock