ソーシャルメディア大手メタ・プラットフォーム(NASDAQ:META)の四半期決算発表まであと数日となり、全体的な雰囲気は楽観的だ。現在、ウォール街のアナリストはMETA株を3万ドル(約6667円)超のコンセンサス目標株価でBuy評価をしている。ただし、最も楽観的な目標株価は1株811ドルで、この評価には特定の基本的要因が支えている。
第一に、ソーシャルメディア分野の地政学的なドラマがMETA株に皮肉にも利益をもたらす可能性がある。米国最高裁は以前、動画共有プラットフォームのTikTokが親会社であるバイトダンス(ByteDance)がビジネスの米国部門を売却しない限り、その国での使用を禁止するとする判決を支持した。その後、ドナルド・トランプ前大統領は、この禁止を75日間無効化する大統領令を発行した。 したがって、公正な解決策が見つかるまで時間を確保した。
冷静な判断が優勢となることも十分考えられる。それにもかかわらず、何か問題が生じればその余波は楽にMETA株を押し上げることができるだろう。eMarketerによる報告によると、TikTokは昨年、米国で123.4億ドルの広告収益をもたらしたとのこと。そのため、モルガン・スタンレーのアナリストは、メタが「TikTokの禁止に伴う最大の基本的勝者」と予測した。
第二に、メタ社は人工知能にも大きな投資をしている。Deepwater Asset Managementのジーン・ミュンスター氏によると、このソーシャルメディアとテクノロジーの巨人は、AIインフラの拡張のために今年最大650億ドルを投資する予定である。このような指針があるため、この企業によってはNvidia Corp.(NASDAQ:NVDA)のようなハードウェアプロバイダーが支援されるが、同時にメタ社がより大きなAIフライホイールに大きな足跡を印すことにもなる。
ただし、META株には全てが有利とは言えない要素もある。政治の面では、副大統領を務めるJD・バンス氏は、大手テック企業の影響力について懸念を表明している。その一つの議論ポイントは、共和党が選挙期間中に何度も主張してきた保守派のメディアへの検閲が挙げられる(ただし、その主張には反対する証拠もある)。バンス氏は、大手テック企業の分割を求める発言も以前にしている。
META株にとって別の強風は、2024年の米国大統領選挙が終わりを迎えつつあるという点である。ソーシャルメディアプラットフォーム「X」のイーロン・マスク氏は、利用者数の停滞と収益の向上について愚痴をこぼした。同様の障害が、Metaのソーシャルネットワーク事業にも影響を及ぼす可能性があるため、META株の評価リスクが浮き彫りになっている。
【ダイレクションETF】
総じてダイレクション(Direxion)のMETA株中心のETF(上場投資信託)には、今後の展開次第でいずれの方向にも動く可能性がある。楽観的な投資家にとっては、『ダイレクション・デイリーMETA BULL 2X』(NASDAQ:METU)が選択肢となるだろう。なぜなら、このETFは、メタ株と同じくらいの日次投資成績の200%を提供しているからだ。一方で、悲観的な投資家にとっては、逆のパフォーマンスを提供する『ダイレクション・デイリーMETA BEAR 1X』(NASDAQ:METD)も検討されるだろう。
METUまたはMETD ETFの特徴の1つは、利便性である。通常、META株のような主要証券に対するレバレッジ取引やベアリッシュな投資を検討するトレーダーは、オプションを使用することが多い。 ただし、このような戦略は複雑なため導入は難しい。一方で、ダイレクションETFを利用すれば、これらのユニットは、任意の上場証券と同じように取引することができる。
ただし、投資家はこのようなレバレッジや逆選択的なETFに関連するリスクを認識しておく必要がある。特に、ダイレクションETFは、1日を超える期間の保有を推奨していない。これを超える保有期間が続くと、毎日の波乗り効果による価値の低下が発生する可能性がある。
【METU ETF】
ダイレクションのMETA BULL ETFは、極端な揺れ動きを繰り返すという特徴があるものの、6月初旬にデビューして以来、テック業界全体の熱狂によって49%以上の利益を上げている。
- 現在、METUは一時的な横ばいの後に着実に上昇している「ステップアップ」フォーメーションを活用している。
- 四半期末の株価発表には悲観的な見方があるものの、株価が1株35.17ドルという50日移動平均線を下回らない限り、META株は引き続き上昇を続ける可能性がある。
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【METD ETF】
- その一方で、META株の逆指向ファンドであるMETD ETFは、6月にデビューして以来26%以上のマーケットバリューを失っている。
- METD ETFが18ドルを割り込むことはMETA株空売り派にとっては好都合だが、このETFは明確に下降トレンドを形成しており、50日移動平均線が上昇抵抗を課している。
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写真は、Thomas Ulrich氏撮影、Pixabay より。