2024年米国大統領選挙はワシントンを再形成するだけでなく、ビットコイン(CRYPTO:BTC)などが支配する仮想通貨市場にも活気を吹き込んだ。
昨年11月以降、仮想通貨は65%とも言われる驚くべき急伸を見せており、JPMorganのアナリスト、ケネス・B・ウォージントン氏によれば、ビットコインの変動性がもたらすものよりも、次期政権による規制の透明性を約束されることのほうが大きな要因となっているという。
混乱から透明性へ
業界が長らく求めていた規制のガードレールが遂に設けられることになるかもしれない。ウォージントン氏は、トランプ政権がワシントンにおいて仮想通貨に好意的な意向をもたらすと指摘し、デジタル資産空間の将来がより正当なものになるだろうとした。次期大統領の仮想通貨に対するプロ姿勢と、鍵を握るポストへの任命が示すように、焦点は市場構造の定義と、SEC(証券取引委員会)やCFTC(商品先物取引委員会)のどちらが実権を持つのかの明確化に移行するだろう。
しかし、これによって直ちに大きな変化がもたらされることはまだないだろう。楽観論が強まっている一方で、実際の規制改革が具体化するのは少なくとも9~12か月後のことだ。SECおよびCFTCの議長任命の確認、そして規則作成プロセスなど、これは一気に駆け抜けるのではなく、マラソンのように踏ん張らなくてはならない。
このニュースが市場に与える最大の影響は?
アナリストは、「よくある質問(FAQs)やガイダンスは、議会が恒久的立法に取り組む中で、市場に対し速やかに規制の透明性を提供してくれるだろう」と語った。
変革の先頭を走るのは誰か
パズルの重要なピースがまだ見つかっていない。それは、CFTC議長の任命だ。
これによって、ビットコインとEthereum(CRYPTO:ETH)という仮想通貨世界の大黒柱の規制がどのように変わるか、業界も大いに期待しているだろう。
未来を覗く
規制が透明化した仮想通貨エコシステムはどのように見えるのだろうか?
まず、Coinbase Global Inc(NASDAQ:COIN)やRobinhood Markets Inc(NASDAQ:HOOD)などの取引所では、既に取り扱い仮想通貨を拡大し、オルトコインを追加し、ステーキングなどの補助的サービスの開発を行っている。
またCharles Schwab Corp(NYSE:SCHW)やBlackRock Inc.(NYSE:BLK)などの伝統的金融プレーヤーも、今後の動向を見守っている。ウォージントン氏によれば、BlackRockのような大手投資ファンドは、機関投資家ポートフォリオにビットコインを割り当てることを推進するだろうという。
最終的な影響は?
規制の透明化によって、仮想通貨は単なる投機の場所から、金融イノベーションの礎へと変貌するかもしれない。トランプ政権が強気の姿勢を示したことで、仮想通貨市場はようやく規制の不透明感から解放されるかもしれず、投資家たちも熱い視線を向けている。
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画像はMidjourneyによって人工知能を使用して作成されたもの