10年前、Amazon.com Inc (NASDAQ:AMZN)は高成長のテック企業の教科書的存在だった。だが今日ではバリュー株に変化している。
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2015年10月の26.63ドルから約700%上昇し、現在約219ドルの水準にあるAmazonの評価額は、今や10年以上で最低水準まで圧縮されている。フォワードP/Eは28.5、PEGレシオは2未満だとBenzinga Proのデータは示している。
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お買い得になった成長株
過去10年のほとんどの期間、投資家はAmazonの絶え間ない拡大の見返りとして高い株価水準を容認してきた。だが投資家の心境は変わった。過去1ヵ月で約7%株価が下落し、242ドルのピークよりも52週安値の161ドルに近づいていることから、かつての高すぎる評価額は驚くほど現実的な水準に落ち着いた。
とは言え、基礎的条件は依然として存在している。むしろある点ではより強くなっている。Amazonの売上総利益率は50%を超え、四半期利益率は二桁台で、負債資本比率は0.4と控えめな水準だ。
時価総額2.3兆ドルにもかかわらず、Amazonのバランスシートはかつてないほど健全に見える。高い収益性と抑えられた評価額のギャップがウォール街の一部で、この株が静かにバリュー株の領域に入ったのではないかとの見方を促している。
利益と忍耐が出会う時
Amazonの現在の状況は、かつて株価が上昇する前に評価額が低水準だったことを思い出す長期投資家には奇妙に馴染み深いものに見えるかもしれない。市場はeコマースの成長減速に備えているようだが、Amazonの次の利益原動力であるAWSの再加速、AIによる小売効率の改善、そして高マージンの広告事業を過小評価している可能性がある。利回りが約3%でフリーキャッシュフローが改善しているAmazonは、株式市場においてしばしば遅れて評価されるタイプの営業レバレッジを構築している。
投資家への提言
長年にわたり完璧な成長株としての評価を受けてきたAmazon株は、ついに忍耐力の評価を受けた。短期的なボラティリティを我慢できる投資家にとって、この珍しいタイミングを捉えれば、10年の歴史を持つこの成長物語が実は長期的な価値を持つ株であることが分かるかもしれない。
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写真:Shutterstock