債券市場でも、実に最長となるインバージョンの期間が終わり、インカーブが急勾配となる動きが見られている。
急勾配の債券利回り曲線:インバージョンが続いた数年間に変化
2022年7月以来、長期利回りが短期利回りを上回り続ける状況が続いていたが、2024年12月現在、利回り曲線がプラス圏に戻る動きが見られている。なお、実勢値はいまだに歴史的な水準からは程遠いものの、その状況が改善している。
2年/10年金利のスプレッドは現在、+0.33%に下がっているが、これは1%以上の実勢値から大幅に外れたものである。
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社債の最適な価値がある場所
LPLファイナンシャルのチーフ債券ストラテジスト、ローレンス・ギラム氏によれば、以下の理由で米国債の利回り曲線は今後も急勾配になる可能性があるという。
- 経済データは予想を上回る結果を出し続けているが
- インフレ率は依然として安定している
- 予算赤字が広がるような形で、米国債の発行が増加している
しかし、このような変化があったとしても、ギラム氏は、企業信用曲線の1~5年セグメントに最大の「リスクリターン比」があると考えている。また、5~7年の期間についても、さらなる付加価値があると見ている。
その機会を生かすETF
このような動きのある中、投資家がこれに対応するためには、『iShares iBoxx 10+ Year Investment Grade Corporate Bond ETF』(NYSE: LQD)や、『SPDR Portfolio Corporate Bond ETF』(NYSE: SPBO)などのETFを利用するのが良いだろう。これらのETFは、インベストメントグレード社債に対する幅広い資産クラスへの投資を可能にしてくれる。一方で、1~5年の企業信用債を取り扱う『Vanguard Short-Term Corporate Bond ETF』(NASDAQ: VCSH)や、『iShares 1-5 Year Investment Grade Corporate Bond ETF』(NASDAQ: IGSB)も、ギラム氏が勧める満期範囲に適合している点から、投資家にとって有力な選択肢となり得る。
締めくくりとして、長期利回りが上昇する中、短期から中期の社債は今でも引き続きリスクリターン比が優れた魅力的な投資対象である。この機会を逃すまいと、これからもリターンを確保しようとする投資家も少なくない。
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(イメージはMidjourneyの人工知能によって作成されました)