ユーロゾーンの債務残高が2014年以来最低水準を記録したことを受け、ユーロは上昇を見せている。ユーロ/ドルは0.05%上昇して1.1923ドル(約128.06円)を記録している。
ユーロ圏の債務残高の総額は、2021年第2四半期に2兆ドル(約220兆円)を記録し、最大の経済圏である米国の債務残高を上回った。この状況は、新型コロナウイルス危機によって大企業への支援金の支出が増大し、政府と企業の債権と債務のシフトの結果だと見られている。
この数値は、ユーロ圏の債務残高の増大がユーロの価値に対して前向きな影響を与えることを意味している。一方で、この債務残高は、ユーロ圏の経済の流動性の問題を浮き彫りにしている。
市場は今後のECBの動きに注目
ユーロの上昇は、欧州中央銀行(ECB)が現在の政策の方針を維持するかどうかに関心が集まっている中で発生している。ECBは、ユーロ圏の経済回復が進展するとともに、新型コロナウイルス危機による影響を最小限に抑えるため、緩和政策の一部を段階的に巻き戻している。このため、市場参加者は、今後のECBの動きに注目しつつ、ユーロの価値に対するリスクを見極めている。
ユーロの価値は、新型コロナウイルス危機からの回復が進むにつれて増加している。ユーロ/ドルが1.20ドルに達する可能性が高まる中、ユーロは緩和的な状況で株価が低下するリスクがある米国ドルよりも上昇する動きを見せている。
関連銘柄
ユーロ高を受けて、 Palantir Technologies Inc.(NASDAQ:PLTR)の株価は3.06%上昇し、74.18ドル(約8,000円)を記録している。同社の株価は、2018年以来の高値を更新している。
ユーロ高の影響を受ける他の銘柄としては、以下の通り。
- ビットコイン/ドル:0.05%上昇、47,151ドル(約5,098,640円)
今後の見通し
ユーロ/ドルの上昇は、ユーロ圏の経済回復が進むにつれて、ユーロの価値が上昇するという観測を裏付けている。そのため、市場参加者は今後もユーロ圏の経済データに注目したい。
ユーロ圏の経済回復が進展するにつれ、ユーロ高が継続する可能性がある。しかし、ユーロが高値を維持することで、欧州企業の輸出競争力が低下するリスクもある。