プラチナは2025年に注目を集め、価格が4年ぶりの高値を更新している。
そのことについて、スポット価格は1オンスあたり1200.95ドルに2.7%急騰し、2021年5月以来の最高値を記録している。プラチナ先物は、今年に入ってから31.88%の急伸と、先月だけでも24.69%の急騰を誇っている。これは、 abrdn物理白金株式ETF(NYSE:PPLT)とグラナイトシェアズ プラチナ シェアズ ETF(NYSE:PLTM)の投資家にとってすべて好材料である。
プラチナ価格が上昇している理由
なぜこのような急騰が起きているのか? 市場の引き締まりと、強力な需要、そして投資家のFOMO(取りこぼしを恐れる心理)がそれを後押ししている。
マイニング・ドットコムによると、今年、世界白金投資協議会(WPIC)は100万オンス近い供給不足が予想されている。報じられた ところによると、この供給不足は、触媒変換装置や実験器具といった産業需要の強さと、制約された白金生産によって引き起こされるものとみられている。
投資家にとっては、この状況は魅力的に映るだろう。早い話が、白金価格の急騰は、供給の引き締まりによって後押しされているのである。
2025年初旬、ドナルド・トランプ前米大統領の下で関税への懸念が高まった中で、白金が米国の倉庫に押し寄せる事態が発生し、その結果、ロンドンとチューリッヒでリース料率が記録すら更新する13.5%まで上昇した。 WPICのエド・スターク氏は「12月以来、市場は引き締まっていた」と語り、NYMEXからの大量の白金の流出によって供給圧は緩和される可能性がある一方で、供給不足は依然として続くだろうとしている。
白金保証ETFは10ヶ月ぶりの高値を記録し、スポット価格が先物価格を上回っていることから、バリューが高いことが信じられる。
プラチナ:技術的には過熱しているが、勢いは依然として強い
技術的には、白金価格の急騰は明らかである。Kitcoの白金価格チャートからは、価格がたった1カ月で1000ドルから1200ドル以上まで急上昇し、50日移動平均よりも高いという好材料が見て取れる。MACD(移動平均収束拡散)のブルーラインが赤いラインを上回り、上昇トレンドの強さを示している(+42.64対+30.07)上、上昇する取引量がこのトレンドを裏付けている。
ただし、リラックスしてはいけない。RSIが85.92で「過熱」を示唆しているからだ。ここで投資家が注意すべきは、価格が停滞する可能性のある1250ドルの抵抗線と、価格が下落した場合のセーフティネットである1139.50ドルの支持線だ。
白金の32%の年初来(YTD)の急騰率は、金の26%を上回っている。しかし、このような急騰の情勢の裏には、Peter Schiffの「わずか数週間で20%上昇した!」といった声が隠れている。
過去のトレンドを考慮すると(2020年の55%急落など)、このような上昇トレンドが打ち消されるような出来事が起きる可能性もある。
投資家にとっては、白金は輝かしいチャンスであるが、その一方で、警戒することも大事である。
1250ドルのゾーンに注意を払い、市況が緩んだ場合には速やかにポジションを切ることが求められる。このようなタイトな市場の状況下で、白金のダンスはまだまだ続く可能性がある。
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写真:シャッターストック