米国株式市場、バブルに向かっているのか?
投資家の間で、S&P500がバブルに向かっているのではないかとの懸念が高まっている。なぜなら、これまでのところ、この指数は過去8日間、サポートの線を示すボリンジャーバンドを上回る水準で推移し続けているのだ。
これはS&P500が過熱していることを示す技術的な兆候であり、過去に同様の状況が生じたことがある。それは2024年7月だが、その時は急激な10%の下落が起きている。歴史が必ずしも繰り返すわけではないかもしれないが、繰り返すことが多いということだ。そしていくつかのトレーダーはそんなエコーを聞き始めている。
この時点で、SPDR S&P 500 ETF トラスト(NYSE:SPY)、Vanguard S&P 500 ETF(NYSE:VOO)およびiシェアーズ・コアS&P 500 ETF(NYSE:IVV)を追跡するS&P500の投資家は、自分たちの保有するものに対して警戒を続けるべきだろう。
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市場の幅が赤く光っている
さらに懸念すべき点は、市場の幅が赤く光っていることだ。Barchartによると、これまでのところ、このセンチュリーにおいて、S&P 500の株価指数とその平均構成要素との力の差が最も広がっている状況になっているという。言い換えれば、一握りの大型株、例えばNvidia Corp(NASDAQ:NVDA)、Apple Inc(NASDAQ:AAPL)およびMicrosoft Corp(NASDAQ:MSFT)が大きな利益を出している一方で、S&P500の大多数が大きく出遅れているというわけだ。
このような狭いリーダーシップは、しばらくの間、株価指数が上昇を続けることを維持することができるが、持続的な利益を支える基盤とは言えない。わずか数社の名前がパフォーマンスを駆動している状況では、1社でも失速があれば、下落のリスクは増大する。
ワイルドカード
それでも、季節的な強さがワイルドカードであることに変わりはない。なぜなら、2015年以来、S&P500は毎年7月に緑でフィニッシュしている指数だからだ。これは、繰り返しにくい強力なトレンドであり、バルたちがこのトレンドが続くと見込んでいる。
この勢いは、AIのハイプと利下げの期待を併せ持っている。これにより、センチメントは浮揚されている。
しかし、割れ目が出始めている。今後の質問は、7月のブル相場が技術的な警告の兆候や悪化した内部要因を上回る勢いを持つかどうか、あるいは投資家が弱体化した市場に立っているかということだ。
現時点では、S&P 500のスコアボードは印象的に見える。ただ、実際に誰がプレーしていて、誰がゲームを見逃しているのかを確認し続けることを忘れてはいけない。
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写真:シャッターストック