投資家や業界関係者にとって、投資を検討する前に企業を慎重に評価することは極めて重要だ。本稿では、テクノロジーハードウェア、ストレージ&周辺機器業界におけるキーコンペティターとの比較を通じ、Apple(NASDAQ:AAPL)の評価を行う。
Appleの概要
Appleは、消費者とビジネスをターゲットにした幅広いハードウェアおよびソフトウェア製品を備えた世界最大の企業の一つだ。同社の売上の大部分を占めるのが「iPhone」であり、Mac、iPad、Watchなどの他の製品は、ソフトウェアエコシステムの中核である「iPhone」を中心に設計されている。Appleは、ストリーミングビデオ、サブスクリプションバンドル、拡張現実などの新しいアプリケーションを徐々に追加してきた。同社は自社ソフトウェアと半導体の設計を、FoxconnやTSMCなどの下請け業者と協力しながら行っている。Appleの直営店を通じての販売が売上のほぼ半分を占めており、パートナーシップと流通を通じての間接的な販売が残りの売上を支えている。
企業 | P/E | P/B | P/S | ROE | EBITDA(10億ドル) | 総利益(10億ドル) | 売上成長率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Apple Inc | 39.97 | 64.51 | 9.58 | 23.83% | 32.5 | 43.88 | 6.07% |
Hewlett Packard Enterprise Co | 11.22 | 1.13 | 0.96 | 2.34% | 1.23 | 2.44 | 10.11% |
NetApp Inc | 23.72 | 29.35 | 4.21 | 32.84% | 0.44 | 1.18 | 6.15% |
Western Digital Corp | 79.24 | 2.14 | 1.68 | 4.28% | 0.86 | 1.55 | 48.91% |
Super Micro Computer Inc | 20.48 | 4.40 | 1.66 | 6.68% | 0.4 | 0.6 | 37.87% |
Pure Storage Inc | 160.41 | 14.53 | 7.24 | 4.44% | 0.08 | 0.54 | 8.81% |
Eastman Kodak Co | 9.77 | 0.56 | 0.60 | 1.34% | 0.04 | 0.04 | -2.97% |
Turtle Beach Corp | 58.06 | 3.55 | 1.07 | 3.3% | 0.01 | 0.03 | 59.51% |
Immersion Corp | 5.01 | 1.26 | 1.78 | 13.41% | 0.03 | 0.06 | 1323.8% |
AstroNova Inc | 18.77 | 1.29 | 0.80 | -0.34% | 0.0 | 0.01 | 14.12% |
業界平均 | 42.96 | 6.47 | 2.22 | 7.59% | 0.34 | 0.72 | 167.37% |
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Appleの分析
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P/E(株価収益率)が39.97で、業界平均より0.93倍低い値を示しているため、リーズナブルな価格で成長のポテンシャルを持つ銘柄となっている。
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P/B(実質株価に対する帳簿価額比)が64.51で、業界平均の9.97倍という高値を示しているため、ブックバリューに対してAppleは他の企業と比較して過大評価されていると考えられる。
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P/S(株価売上高比)は9.58、業界平均の4.32倍という数値を示しており、業績に関して同社が過大評価されている可能性がある。
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ROE(自己資本利益率)は23.83%で、業界平均より16.24%高い数値を示しており、同社が利益を生み出すために効果的に自己資本を活用していることを表している。
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同社のEBITDA(金利、税金、減価償却、および償却前利益)は325億ドル、業界平均より95.59倍高い水準で、同社はより強い収益力と健全なキャッシュフローを示している。
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総利益が438.8億ドルと、業界平均の60.94倍という高い水準を示しているため、同社はコア業務からより強い利益を上げていると言える。
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同社の売上成長率は6.07%で、業界平均の167.37%と比較した場合、売り上げ環境が厳しいことを示している。
負債比率
企業の事業に対する負債の割合を示す負債比率(D/E)は、企業の財務健全性とリスクプロファイルを簡潔に評価することを可能にする。
業界比較での負債比率を考慮することは、企業の財務健全性とリスクプロファイルを簡潔に評価し、情報に基づいた意思決定を支援する。
Appleの負債比率を上位4社の競合他社と比較すると、以下のような結果が導かれる。
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Appleの負債比率がリストの中央に位置することから、同社は他の企業に比べて、負債比率が1.87という数値を示している。
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このポジションは、同社は他社と比べて負債と資本をバランスよく保っており、リーズナブルな水準の負債を維持しながら、自己資本を活用して事業を運営していることを示している。
主要なポイント
テクノロジーハードウェア、ストレージ&周辺機器業界におけるAppleのP/E比は、業界平均に比べて低く、潜在的な未評価を示唆している。一方で、P/BおよびP/S比が高いことから、同社は業界基準に対し過大に評価されている可能性がある。Appleの高いROE、EBITDA、総利益は、同社が強い収益性を持っていることを示している一方、低い売上成長率は、業界の競合他社に比べて拡大が鈍いことを意味している。
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