アプリ業界の地殻変動が目立たないうちに、莫大な利益が動く1週間になりそうだ。この1週は、代替のアプリ内決済手数料の27%について連邦裁判所が大打撃を与えたのだが、それはイーピックにとっては大きな勝利であり、開発者にとっては滅多にない交渉材料を手に入れることにもなる。
JPMorganのアナリスト、Cory A. Carpenter氏によると、この判決が受けるべき関心はかなり少なかったという。
イーピックゲームズ、現段階で最後の笑いを取る
数年にわたる法廷闘争の末、アップルの外部決済手数料の取り立てに対する試みが崩れた。最新の判決は、アップルが代替決済に手数料を徴収することはできないと宣言し、その効力はすでに即時に発生している。このことはすでに、Spotify Technology SA(NYSE:SPOT)の最新アプリのアップデートで具現化しており、Carpenter氏は、これには手数料がかからずに承認されたと指摘している。
開発者はこの機会をどう活かすかを検討中だ。Carpenter氏によると、「この後の数日間で開発者がアプリストアに同様のアップデートを大量投入すると予想している」とのこと。
アップルはこの判決に異議を申し立てているが、以前とは異なり、アップルはその間従わなければならない。つまり、9巡回裁判所が留置を認めるまで、開発者は最低でも2か月間は手数料なしの代替決済を実装できるというわけだ。
グーグルは、冷静な立場を維持
一方で、「この判決はGoogle Playの取引には影響を与えない」とアルファベット(NASDAQ:GOOGL)(NASDAQ:GOOG)傘下のGoogleが発表している。これはGoogleがすでに、多くの国で「ユーザーが選択」する請求金を提供しており、料金が少し低くなっているためだ。これにより、定期購読の場合は11%、アプリ内の購入の場合は26%の手数料がかかる。
Carpenter氏は、「Googleの定期購読サービス手数料は、すでにAppleのサービス手数料の15%の半分である」と指摘している。
マージンが向上する見込み?
このまま判決が続くのであれば、開発者は利益を得ることができる。 Carpenter氏は、以下のように年次のマージン向上を見込んでいる。
- Match Group Inc(NASDAQ:MTCH)/Bumble Inc(NASDAQ:BMBL):3-6%
- Take-Two Interactive Software, Inc(NASDAQ:TTWO):1-2%
- Electronic Arts Inc(NASDAQ:EA):約0.5%
- Playstudios Inc(NASDAQ:MYPS):3-7%
AppLovin Corp(NASDAQ:APP)も、開発者がユーザー獲得に節約した分を間接的に得る可能性がある。
留置に関する判決は2か月かかる可能性があるが、現時点では(少なくとも一時的に)力のバランスが変わっていることは確かだ。
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写真:シャッターストック