過去1年間、インテル(NASDAQ:INTC)の株価は59%下落し、同社が長期的な減収を迎えるか、反発を図っているのかといった点に関して投資家には疑問が残る形となった。
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技術的には、シグナルがはっきりしている。インテルの株価は8、20、50、200日移動平均線よりも低い水準で取引されており、ベアマーケットの兆候が見られる。同社の移動平均収束発散(MACD)はマイナス1.05で、インテル株に対する良くない動きが示されている。さらに、同社の相対力指数(RSI)は31.35で、過剰流動が見込まれている。
株全体を見ると、満すぎるほど売られているRSIが反転の兆しを示唆している。
これに対し、ファンダメンタルズの側面は複雑な状況を見せている。
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インテル株:半導体、競争、課題
インテルの株価は、その実勢純資産の10~20%下の水準で取引されている――この事実が下落リスクを抑制する可能性がある。
悪い報道や株価パフォーマンスの低下にも関わらず、インテルは年間500億ドルの収益を生み出し、健全な負債比率を維持している。同社の利益率は縮小しているものの、保守的な見積もりでも利益率がなくなる見込みはない。
インテルのCPU市場における優位性は、OEMセクターに対する同社の握りが理由で60~70%にとどまっている。
一方で、Advanced Micro Devices Inc(NASDAQ:AMD)はDIY PC市場で特に成長しており、Raptor Lake CPUの安定性の問題やCore Ultraチップのインパクトの乏しさなどがインテルの評判を傷付けたものの、Lunar LakeやArrow Lakeといった新しい製品が2025年までに市場シェアを取り戻そうとしている。
18Aプロセス、ファウンドリーの見通し
18Aプロセスの取り組みは、欠陥密度が業界のベンチマークに近づいていることにより、市場を変貌させる可能性がある。
また、インテルのファウンドリービジネスは、Amazon.com Inc(NASDAQ:AMZN)のAIチップを製造する取引に成功している。ただし、実行リスクは大きく、米台湾間の関税のような地政学的要因によって、事態は大きく変わる可能性がある。
バトルメイジのサプライズ
インテルのBattlemage B580グラフィックカードは、もう一つのカードである。スペックは画期的とは言えないが、その手頃な価格が大ヒットしたことにより、同社がニッチな分野での革新能力を示している。
インテルは依然としてベア市場の株であり、ベアリッシュなトレンドとその回復の兆しを示す指標との間でバランスを取っている。投資家には回復を待つか、それとも株価の下落に耐えるかという複雑な選択が迫られている。
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