Super Micro Computer Inc.(スーパーマイクロコンピューター(NASDAQ:SMCI)は、同社の経営陣や取締役会による違反や不正の証拠が見当たらないという結論が出たため、それに関する調査をクリアした。
ただし、JPMorganのアナリストであるSamik Chatterjee氏は引き続き、「コンプライアンスへの多角的な視点が不足している」とし、「SMCI」の投資評価をアンダーウェイト(下振れ期待)のままに維持している。
SMCI調査、不正行為の証拠が見当たらないが、問題点は存在
調査は、法律と法医学の専門家によるサポートを受けながら行われた「SMCI」の特別委員会によって実施され、以下の4つの重要な分野に焦点を当てた。
- 元社員の再雇用の実務手続き
- 売上と収益の認識
- 輸出規制
- 関係者開示
報告書の結論は以下のとおり:
- 元従業員の再雇用は「合理的なビジネス判断」に基づくものだったが、「ガードレールプラクティスの周辺に不備が見られた」とのこと。
- 売上と収益の認識の実務手続きには「公正性」があり、特段問題はなかった。
- 「SMCI」が輸出規制の規則や制限を回避しようとした証拠は「なかった」。
- 関係者間の取引は、すでに開示されているか、もしくはすぐに開示される予定。
この発見によって、明らかな不正行為を心配する声が収まったかもしれないが、特別委員会は弱点を補強するためのガバナンス変更を勧告したことで、手を抜いたわけではない。
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SMCI、ガバナンス改革:新CFOとコンプライアンスチームが焦点
特別委員会は、経営陣に新CFOを任命することを提案し、その結果、David Weigand氏の後任として新たなCFOが任命されるまで、Weigand氏は留任されることになった。前ファイナンス部門副社長であるKenneth Cheung氏は新たに設けられた最高会計責任者(CAO)の新たな役職に就くことになった。新たに任命される予定の役職には、最高コンプライアンス責任者(CCO)とゼネラルカウンセルの役職を含む。
同社はまた、ガバナンスの監督を改善しながら、「財務コントロールとコンプライアンスプロセスに関連するトレーニングプログラムを拡大し、向上させる」との声明を発表している。
JPMorganの2つの懸念
これらの行動にもかかわらず、Chatterjee氏は投資家に対して引き続き慎重であることを勧告している。彼は以下の2つのリスクを指摘している。
- BDO(「SMCI」の独立監査人)が「特別委員会の調査結果を受け入れるか、独自の独立した調査を実施するか」という点。
- ナスダックが「SMCI」に対してリストアップ基準のコンプライアンスを回復するための時間を延長するかという点。同社はすでに、裁量の余地がある期間内に10-Kおよび10-Qの提出を完了し、リスティング要件へのコンプライアンスを回復する意向を明らかにしている。
Chatterjee氏にとって、会社が積極的な措置を取ったことは勇気づけられることだが、これから先の道のりは不確実なものだ。今後の注目は実行の手腕に移る。
SMCI:クリアされたが、マイクロスコープの下
「スーパーマイクロ」の発表によって、投資家の間の直近の懸念が和らいだかもしれないが、「JPMorgan」が示した「コンプライアンスへの多角的な視点が不足している」という懸念からは、この問題は一切解消されていないということが示唆される。
一部の投資家は、「SMCI」による「経営陣や取締役会による違反や不正の証拠がない」という結論を歓迎するだろうが、ガバナンス改革の実行と「ナスダック」からのコンプライアンスの締切期限の遵守が、同社の株が再び立ち直るかどうかを決定するだろう。
SMCIの株価動向:発表されたこのニュースを受け、SMCIの株は28.68%上昇して1株42.00ドルで取引を終えた。
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