米製薬企業イーライ・リリー・アンド・カンパニー(NYSE:LLY)は、150億ドルの自社株買い戻しプランと、配当を15%引き上げる計画を引っさげて話題となっている。
一方で、「Mounjaro」と「Zepbound」のような大ヒット薬を独占販売中のこのインディアナポリスに本社を置く製薬大手は、次の動きを見越して株の技術的なシグナルが苦しい状況が続いている。
イーライ・リリーの株式チャート:売りと買いが対立

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イーライ・リリーの株式は800.13ドルで取引され、短期間のテクニカルで混合の状況が描かれている。
- 売りの兆候が支配的:株は、8日間の単純移動平均(SMA)(811.79ドル)、50日間のSMA(841.23ドル)、200日間のSMA(838.29ドル)より下で取引されており、数多くの売りの指標が見られる。実際、50日間のSMAと200日間のSMAは「デスクロス」を形成しつつあるように見える。また、マイクロソフトのマイクロソフト(MACD)の読み取りは-5.12であり、さらなる売りの勢いを示唆している。
- 買いの微光:株価を20日間のSMA(784.85ドル)が持ち上げており、短期間でのサポートを示唆している。
- 勢いの懸念:RSIが47.31のLリリーの株は、中立圏にある(相対的な強度指数)と、これからさらなる下落があるか、あるいはリカバリーラリーがあるかについての余地が多く残されている。
成長と投資家の懐疑的な見方
株式のチャートのシグナルがおとなしい一方で、イーライ・リリーの基本的なファンダメンタルズは、糖尿病と肥満治療薬への需要の急増によって引き続き強いままだ。最高財務責任者(CFO)のLucas Montarce氏は、同社が新製品の発売、製造能力の拡大、および継続的なR&Dを通じて成長に対するコミットメントを強調した。
この買い戻しと配当のニュースを歓迎した投資家は、月曜日のアフターマーケット取引で株価を押し上げた一方、イーライ・リリーの株の技術的な見通しは、短期間で上昇の勢いを維持しようと苦戦を強いられるかもしれない。
株式がこの微妙なバランスを取ろうとする中、ウォール街はイーライ・リリーの株の買い戻しの動向に注目しているだろう。
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