Marvell Technology Incの(NASDAQ:MRVL)が自動車分野からの事業撤退を発表し、Harlan Sur氏の「そんな(自動車)事業に関して投資家が賭けるべきだ」という見解を受けて、13日は株価が急騰した。
同社が自動車用イーサネット事業2百5000万ドルでInfineon Technologies AGへ売却したことを受けて、Sur氏は「オーバーウェイト」の格付けを再確認し、2025年12月までに株価130ドルのターゲット設定を発表。先週金曜日の終値51ドルから155%上昇する見込みだ。
AIビジネスの成長が加速
自動車用イーサネット事業は急成長する一方、2026年におけるMarvellの売上構成に占める割合が2~3%を超えることはない。
一方、同社のAI(人工知能)およびデータセンターポートフォリオは毎年30~40%のペースで伸びており、Sur氏は「簡単に言えば、これは見込みのあるセグメントを見限ることではなく、売上成長の機会を生むことである」と語った。
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高い企業価値、低いリスク
この取引の売上倍率は10.5倍で、同社の2026会計年度における売上高が2億2500万~2億5000万ドル、売上高の60%が粗利益となることを考えると、健全なプレミアム率と言えるだろう。
Sur氏によると、この取引はマーベルのEPS(一株当たり利益)をわずかではあるが増加させる可能性があるため、特に資金を株式買い戻しに充てる場合は好材料となるだろう。
今回の事業撤退はMarvellへの投資家にとってプラス材料
同社は、今回の自動車部門からの撤退決定を、2021年10月に発表した四半期再編に続くものとして位置付けている。その再編ではエンタープライズネットワーキング(企業向けネットワーク機器)、キャリアインフラストラクチャー(キャリア向けインフラ)および自動車からの投資の転換を開始している。
同社は今後、AIと高速計算に焦点を当てていくと見られており、このテーマが長期的な価値の解放に鍵を握るとSur氏は見ている。
マーベルは8年間で自動車ビジネスをゼロから構築してきたかもしれないが、25億ドルのペイデーと155%のポテンシャルアップサイドが見込まれる今、AIが今回の決定で加速され、同社はガソリンを満タンにした形となった。
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写真:シャッターストック